倉沢杏菜、主演・野間口徹と共に挑んだナオキ役は「誰もが本心では共感できる部分がある」『VRおじさんの初恋』
◆本作はナオキはホナミとのやりとりも見どころのひとつですが、ホナミを演じる井桁さんの印象はいかがでしたか? きっと皆さんが想像されているそのまま、優しく明るくてユーモアのある方です。優しさといってもいろいろな種類があると思うのですが、井桁さんは周囲を巻き込む優しさをお持ちで、現場の空気をも包み込んでくださる方。井桁さんがいらっしゃるだけで雰囲気が和やかになるんです。私がお芝居で悩んでいる時にはアドバイスをくださったり、井桁さんのおかげで安心してナオキとしていられましたし、現場でのあり方もたくさん学ばせていただきました。 ◆撮影の合間などは井桁さんとお話されることも? たくさんお話させていただきました。お芝居のことはもちろん、時には井桁さんがお好きという焼き鳥のお話なども(笑)。あと、俳優さんって台本やお水、貴重品などを入れたサブバッグを現場に持って行く方が多く、それを“現場バッグ”と言うのですが、最近まで私はその存在を知らなくて…。井桁さんが現場バッグを使われているのを見ていいなと思い、私もある日バッグを持って行き「井桁さんのまねをしました!」と報告したら「みんなやってるよ」と笑っていただいたこともありました(笑)。本当にかわいらしくて、おちゃめなところもあるすてきな方です。 ◆本作は現実世界とVRの世界を行き来しながら物語が展開していくということで、撮影はどのように行われたのでしょうか。 セットやロケでの撮影が中心でしたが、グリーンバックでの撮影もやらせていただきました。今後、ナオキが水中にいるシーンが登場するのですが、それはグリーンバックを背景にワイヤーで吊られながらお芝居をしていて、初のワイヤー体験もできました! ロケでは各地に行かせていただいて、すてきな場所がたくさん登場するので、そういう部分もチェックしていただけたらうれしいです。 ◆劇中でお気に入りのシーンをひとつ挙げていただくと? 1話でのナオキとホナミの出会いのシーンでしょうか。現実同様にVRの世界でもひとりで過ごしていたナオキの前に突然ホナミという人が現れ、困惑しつつどこかうれしい気持ちもあって…。そんな心の葛藤を抱えながら、今後もどんどんホナミに巻き込まれていきます。ぜひ、見てくださる皆さんにもナオキと一緒に巻き込まれていただきたいです。 ◆倉沢さんが感じるこの作品の魅力は? まず、他のどのような作品とも似つかない唯一無二な作品だということ。ただ、それゆえにユニークさが際立ち、一見とっつきにくく見えるかもしれないのですが、いざフタを開けてみると今を生きている人たちにはみんなどこかしら刺さるものがあるんじゃないかなと。この作品を作り上げながら私自身が自分と向き合えたように、きっと見てくださった方の中にあるわだかまりみたいなものが温かくほどけていくような魅力が詰まっています。この作品が1人でも多くの方に届いたらいいなと願うばかりです。 ◆今回、ナオキ役に大抜てきされた倉沢さんですが、そもそも芸能界に入ろうと思ったきっかけは? 5歳から8年間クラシックバレエを習っていたのもあり、元々自分の体を使って表現することが好きだったんです。そんな中、中学生の頃に授業参観で英語の劇をやったのですが、芝居をしている私を見た母が「女優さんやってみれば」と言ってくれたんです。そこから高校生になり、進路に悩んでいた時にちょうど今の事務所がオーディションをやっているのを知って、挑戦だけしてみようと受け、ここまでたどり着きました。 ◆そこから女優として本格始動し、想像とのギャップはありましたか? もちろん思っていたより楽しいと思える時もあれば、難しさを感じることも多いです。決して簡単にできるものではなく、とても丁寧に、真摯に向き合い続けないといけないお仕事なのだなと感じています。そして、それはつまり自分と向き合い続けるということでもあり、成長を感じられたり、同時にこれまで知らなかった感情が出てきたり、終わりがないのだろうなと。だからこそもっといろいろなことをやってみたいですし、なんならもっと悩んでもみたいです。とても魅力的なお仕事だなと思っています。 ◆最後に、今後の展望を教えてください。 今の年齢だからこそできる役や難しい役など、まずはもっといろいろな役に挑戦してみたいです。あと、バレエをやっていたのもそうですが、歌を歌うことも好きなので、そういうことを活かせる舞台など、やってみたいことが本当にいっぱいあって。これからお仕事をさせていただく中で、そういう糸が少しずつつながっていけばいいなと思っています。 <PROFILE> 倉沢杏菜 ●くらさわ・あんな…2005年3月18日生まれ。神奈川県出身。レプロエンタテインメントが2021年から22年にかけて開催していた「レプロ30周年主役オーディション」がきっかけで芸能界入り。近作はドラマ『君には届かない。』『先生さようなら』など。
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