「育児をしている男性は男らしくない」に賛同は10%。ジェンダーギャップ指数下位の日本に変化
「家にいて育児をしている男性は男らしくない」──。 そう思う日本人は10%で、ジェンダーギャップ指数ランキング上位のスウェーデン(16%)やニュージーランド(15%)など31カ国中で最も少なかった。また、日本においては過去5年間で5ポイント減少するなど意識の変化を表す結果になっている。 【全画像をみる】「育児をしている男性は男らしくない」に賛同は10%。ジェンダーギャップ指数下位の日本に変化 グローバルの世論調査会社「イプソス」の調査で分かった。 調査概要:世界31カ国2万4269人。インドの18歳以上、 カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国の16~74歳の回答をまとめている。実施日は2023年12月22日~2024年1月5日。
ジェンダーギャップ指数下位でも「意識の変化」
調査では、女性のリーダーシップに対する考え方をさまざまな角度からリサーチしている。 「家にいて育児をしている男性は男らしくない」という設問に対し、「そう思う」と回答する日本人は5年間で5ポイント減少し、10%だった。男性のみの回答では「そう思う」と答えた人は12%で、同様に31カ国中最も少なかった。 日本に次いで「そう思う」と回答した割合が低かったのは、アルゼンチン(11%)やカナダ(11%)、アメリカ(14%)など。 一方、「家にいて育児をしている男性は男らしくない」と回答した割合が最も高かったのは韓国で、74%に上った。 イプソスは 「日本人のジェンダーに関する意識、価値観が『平等』に向かって変容してきていることがわかりました。世界経済フォーラムが毎年発表している『Global Gender Gap Report(世界男女格差報告書)』では、日本は不名誉な評価(※)が続いています。国民の意識が変容してきているという状態は、いわば変化の土台ができていると考えてもよいのではないでしょうか」 と評している。 ※2023年の世界のジェンダー・ギャップ指数ランキングで、日本は146カ国中125位。公表開始以来最低だった。
男女平等対策は31カ国中で最も「不十分」
一方で、男女平等の施策が進んでいるかどうかを問う設問では、31カ国中で最下位の結果となった。 「女性にも男性と同じ権利を与える取り組みに関しては、我が国では十分すぎるほど対策がなされている」という質問に対し、「そう思う」と答えた日本人は24%と、全体平均の54%を大きく下回った。2番目に低いポーランド(28%)とも4ポイントの差があった。 「そう思う」と答えた割合が最も高かったのはインドネシアで、83%だった。
土屋咲花