「6年連続で日本一幸福な県は?」「そろばん教室が人口あたり日本一」その意外な都道府県の正体
日本で一番幸福な県は?
「魅力度ランキング」を見ると、恐竜効果もあって福井県が昨年より順位を7つ上げて31位となった。だが、富山県が19位とリードしている。 【一覧】あなたの県はどんな…? 全国47都道府県「知事の履歴書」 富山県民に話を聞いてみると―。 前編記事『「岩手と福島、どっちが上?」地元の人に聞くと意外な答えが…!』より続く。 「昔から薬売りが有名ですが、理系が多くて数字に強いのが富山県民。意外に思われるかもしれませんが、そろばん教室が人口あたりで日本一。理系的な教育に力を入れているんです」 前出の久保氏もこう解説する。 「浪人生比率は富山が8・92%と、福井の3・51%よりも多い。それだけ勉強熱心な県民性があるのでしょう。実際、人口10万人あたりの図書館数は全国2位です」 今年10月に発表された都道府県の「幸福度ランキング」(日本総合研究所)では、福井はなんと6回連続で総合1位。富山は3位と、住みやすさでは共に上位にあるものの、わずかに福井に軍配が上がりそうだ。
くまもんはもう古い?
福岡県に次ぐナンバー2を争う九州地方はどうだろうか。「魅力度ランキング」では、鹿児島県が17位なのに対して熊本県は26位と低い。前出の田中氏が提言する。 「ゆるキャラブームが過ぎ去り、世界中で愛されていた熊本のくまモンブームは、効力が低下しています。くまモンに次ぐ新たなイメージづくりが必要になるでしょう」 前出の久保氏が着目するのは、純粋なアルコール消費量だ。どちらも焼酎の名産地ではあるが、鹿児島の消費量は熊本を凌駕している。 「20歳以上人口の1人あたりの消費量は、熊本の6・4Lに対して、9・43Lと、年間3L近くも違います」 熊本県民はこうしたデータから「鹿児島県民は酒ばかり飲んでいる!」と揶揄するが、いっぽうで、鹿児島県民は読書家が多く中学生読書率は全国2位だ。
島根vs鳥取
最後に、魅力度ランキングで下位争いをしている2県も見よう。島根県が38位、鳥取県が44位だが、形も似ており、どちらの県が東側にあるのかさえ自信を持って答えられる人はそう多くないかもしれない。 だが、地元の人は、島根と鳥取では「大違いだ!」と口を揃える。 島根県松江市でレストランを経営する住民(51歳)は、「出雲大社がある時点で鳥取には負けない」と言う。 「古代より杵築大社と呼ばれ、日本神話にも出てくる日本の聖地です。『一度でいいから出雲大社に行ってみたい』という観光客が数多く訪れていますよ。国宝の松江城、世界遺産の石見銀山もあり、鳥取とは「品格」が違います」 いっぽうで、鳥取県民は「石破茂総理が鳥取県出身なのだから、その時点で鳥取の勝ち!」と断言。しかし、島根県民からすれば、「竹下登や、若槻礼次郎は島根出身。総理大臣輩出人数では島根の方が多い」と反撃するだろう。 ライバル県同士の闘争は今日も絶えない―。 「週刊現代」2024年12月21日号より ……・・ 【もっと読む】「全国47都道府県《知事の素顔》を大公開」群馬、広島、静岡…「本物の知事」が明かす、その「頭の中」と「ひそかな野望」
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