外国人観光客の急増で"路線バスに乗れない"市民続出 札幌市長「想定外…対応議論しなければ」 具体策は見えず 北海道
UHB 北海道文化放送
外国人観光客の増加で、一部の札幌の路線バスに地元の人が乗れない、いわゆる「乗り残し」が発生している問題で、秋元市長は2月26日の会見で改善策を「検討する」と述べたものの、具体策はまだ見えていません。 「満員ですので次便をご利用ください」(バスの運転手) 「もう乗れないって…」(バスの利用客) これは2月6日、札幌市南区を走る路線バスの様子です。 満員で地元の人が乗れない「乗り残し」が発生していました。 その理由は…
「イエス、ジョウザンケイ!」(外国人観光客) 札幌の奥座敷、定山渓温泉。 今や訪れる人の9割が海外からの観光客で、その大半が路線バスを利用するためバスの混雑が続いています。 これまでにない事態に地元からは…。 「(観光客が)ようやく戻ってきてくれたのはありがたいが、札幌市としての政治的な対策が必要」(定山渓温泉飲食店組合 奥島 尚 組合長) 対策を求める声に札幌市の秋元市長は…。 「観光客を受け入れる態勢を議論し、対応をとっていきたい」(秋元克広 札幌市長) 秋元市長は改善の意欲を示しつつも、札幌市南区の混雑は「想定外」で、地元への影響も一部にとどまっているとして、具体的な対策は示しませんでした。
2月8日のUHBの取材に札幌市は「対策を検討していると言える段階にない」とし、まだ議論のスタートラインに立っていないとしていました。 26日の会見で秋元札幌市長は、「バス運転手の不足と、南区方面にこれほど多くの観光客が行く状況が想定外だった。対応を検討していかなければならない」と話しましたが、具体的に動き出せてはいないことを明らかにしました。
南区方面でバスを運行する「じょうてつバス」では、昨秋の紅葉シーズンまでは、バスを増便して対応してきました。 その対応策は、運転手に休日出勤してもらうこと、事務職員にも大型二種免許を持っていれば運転手として対応してもらうことでした。 ただ、今冬からは退職者が後を絶たず、通常運行をするのも困難な状況になり、減便を追加で発表する異例の事態になっていて、一部の路線で増便する対応ができなくなっています。 いま南区で起きていることが、今後ほかのエリアに広がる恐れもありますので、観光と市民生活を両立させる議論を進めることが求められています。
UHB 北海道文化放送
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