「17歳でヤクザ→前科7犯・服役7年→神学校」埼玉・川口のスナックで教会を立ち上げた"元ヤクザ牧師"の来歴
■どんな状況からでも、必ずやり直すことができる 翌年には、コロナで礼拝ができない危機が訪れたものの、新しい教会を設立した後でも刑務所伝道は並行して行っていたので、全国からの献金で生活できました。いまとなっては、2000万円近くある借金も半分近くまで返済し、2029年には完済する見込みです。 振り返ってみれば、話が出来すぎていると思われそうですが、こうした牧師の活動だけで生活できるようになったのも、獄中で“どん底”を経験したからだと強く感じています。また、刑務所伝道で多くの人とつながれたこと、そして「自分は神様から見放されることはない」と実感できたことが大きかった。やさぐれていても、誰か手を差し伸べてくれる人がいるというつながりが、自分を鼓舞する原動力につながりました。 この記事を読んでいる方のなかにも、なにかしらの事情で、「自分はダメな人間だ」と、自暴自棄になっている人がいるかもしれません。ただ、私がキリスト教に出会ったように、人は完全に孤立することはありません。それは自分が気づいていないだけで、どれだけ悪い状況に陥ってしまったとしても、そこから這い上がれるきっかけは必ず存在しているのです。 (後編に続く) ---------- 進藤 龍也(しんどう・たつや) 牧師 1970年生まれ。埼玉県川口市出身。高校を喧嘩で中退後、18歳でやくざにスカウトされ、広域暴力団S会系の組員となる。28歳のとき、暴力団の組長代行になるが、覚せい剤が原因で降格。3回目の服役の際、差し入れられた聖書を読み、回心する。出所後、シロアムキリスト教会にて、洗礼を受ける。2005年、JTJ宣教神学校卒業と同時に、開拓伝道を開始。現在は、川口市にある「罪人の友」主イエス・キリスト教会の牧師として、日本各地の受刑者との文通や面会を通し、福音を伝えている。著書に『人はかならず、やり直せる』(中経出版)、『極道牧師の辻説法』、『未来はだれでも変えられる 極道牧師と“元ワル”たちの人生やり直し』(ともに学研プラス)、『立ち上がる力』、『あなたにもある逆転人生!』(ともにいのちのことば社)、などがある。 ----------
牧師 進藤 龍也