長野・諏訪で2019年にキノコの国際大会 難しい「菌根性」の人工栽培
シイタケ、ナメコなどは「腐生性」
林野庁によると、キノコ類は倒木や落ち葉などを栄養源とする「腐生性(ふせいせい)」のキノコと、生きた樹木の根と共生関係を持ちながら生きる「菌根性」のキノコに大別できます。腐生性のキノコはシイタケ、ナメコ、ブナシメジ、エノキタケなど、菌根性はマツタケやホンシメジなどが知られています。 現在20種類ほどのキノコが人工栽培されており、その全部が腐生性のキノコ。菌根性のキノコではホンシメジの人工栽培技術が開発された段階で、今後の生産に向け研究開発が行われているとしています。 長野県などが取り組んでいるマツタケの人工栽培も菌根性のキノコの分野のチャレンジで、同県は長期の研究期間をかけて人工栽培の実現を目指す方針。長野以外にもマツタケの人工栽培に取り組んでいる自治体があり、実現すれば快挙となります。 キノコは菌類に属し、胞子で繁殖します。カビに近い仲間で、細胞には葉緑素がないため樹木や落ち葉などを栄養源として菌糸を張りめぐらせています。繁殖のための胞子を生産するために菌糸の集合体である子実体を作り、この子実体をキノコと呼ぶ、と林野庁は説明しています。 また、国内には4000~5000種類のキノコがあるといわれ、このうち食用は約100種類。毒キノコによる被害も毎年発生しているため国や自治体は安全対策の指導や講習会などを開いています。林野庁によると、消化器系の中毒例が多いキノコとして、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、カキシメジが挙げられ、死亡事例はドクツルタケ、タマゴタケモドキ、テングタケ類で多くが発生しています。
--------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説