「兵庫県知事選、かつてない衝撃」と群馬の山本一太知事 「選挙の転換点になる」
パワハラなどの疑惑告発文書問題で県議会から全会一致の不信任決議を受け失職した斎藤元彦前兵庫県知事が、改めて挑んだ同県知事選(17日投開票)で当選したことについて群馬県の山本一太知事は21日、「長年、国会議員を含め政治活動してきたが、かつてない衝撃を受けた」と語った。 【写真】「不信任、当選だけではひっくり返せない」橋下徹氏、斎藤知事の「権力行使、批判続ける」 ■兵庫県民は既存メディアをうのみにせず 山本知事は「あれだけ既存メディアに攻撃され、批判された候補者が当選したというのは初めてのことで本当に衝撃的だった」と述べた。そのうえで連日、パワハラ問題などがテレビや新聞、週刊誌で報じられる中で「多くの兵庫県民がそうした既存メディアの報道をうのみにせず、途中から『そんなことしていないのではないか』と思い始めた。特にネット世論では顕著で、米国(の大統領選)と同じ現象かどうかは分からないが、日本では初めての事象だと思う。10年後、20年後に振り返ったとき、選挙に関し明らかな転換点になったとされる事案になると思う」と語った。 山本知事は、米大統領選でトランプ氏圧勝を予想したメディアが皆無だった点を、トランプ陣営に入った実業家のイーロン・マスク氏が「オールドメディアの敗北」と評したことを紹介。「日本のメディアも今回のことで一度、立ち止まって考えられた方がいい」と述べた。 ■不信任決議とはあんなに軽いのか 定例会見での質問に答えた。山本知事は準備していたかのように兵庫知事選の分析を続け、「知事と議会の在り方、いわゆる二元代表制の在り方についても一石を投じた」。兵庫県議会が知事の不信任決議案という重い議案に全会一致で賛成しながら選挙で覆ったことに「不信任決議とは、そんなに軽いものなのか」。「中には賛成しながら選挙戦の途中で斎藤氏の応援に入った県議もいた。弁明もなく空気に従って行動した人もいて、県議会とはその程度のものなのか、ガッカリした」と続けた。 そして「仮に私が不信任決議を受けても、選挙に出て有権者に信を問うことができるんだな、と。勉強になった」。さらに「斎藤知事をよく存じ上げないが」と断ったうえで、逆境下に追い込まれながら「不信任を突き付けた県議に一切、悪口を言わず、冷静に選挙を続けたのは、性格なのか戦略なのか分からないが、政治家としてすごいことだと思う。私にはとてもできないが」と述べた。 選挙におけるネット戦略の重みにも触れ、3年後の群馬県知事選について「まだ出馬するかどうか、わからないが、仮に出るとしたらネット戦略について改めて練り直す必要がある」とした。