ドラァグクイーンのド派手メイクを大解剖 大規模ドラァグショー「オピュランス」の楽屋に1日密着
ヴェラ:よくTikTokを見ます。ショート動画なのでサクサク見られるし、いろいろなクイーンがメイクティップスを発信しているのでかなり参考にした。
WWD:特にアイブロウは独特なので難しそう。
セラ:以前は眉毛をのりで平らにつぶしてメイクしていましたが、今は自然な眉の形を生かしてメイクしています。1年くらい前かな? ヴェラ、私のメイクが変わり始めたのを覚えている?
ヴェラ:うん、スマートフォンのフォルダにまだ写真があるよ。コロナ禍はみんな外出せずにたくさんメイクの練習をして、新しいことにトライして腕を上げました。
セラ:自分の顔にどのようなメイクが合うのか、研究と試行錯誤を重ねることで自分に合ったベストなメイクを見つけることができます。眉毛をそるクイーンもいると聞きますが、私は「えー!そんなことしたくない!」って感じ。
ドラァグクイーンのメイクに正解はない
WWD:ちなみにロールモデルはいる?
セラ:ドラァグクイーンを始めたころの私に聞いたら、ゲイ文化のアイコンや強い女性らの名を挙げたと思います。例えば、マドンナ(Madonna)とか。そこから時間がたって、現在の私のロールモデルはヴェラを含め、周りのコミュニティーにいる友人たちです。常に刺激を受けるし、私も新しいことに挑戦しようという気持ちにさせてくれます。
ヴェラ:私は強い女性を参考にしています。例えば、ラッパーのニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)やタイラ(Tyla)など。あとはお母さんもかっこいい女性で、とても憧れている。そんな女性像を目指しています。
WWD:最後に、2人にとってのドラァグクイーンメイクとは?
セラ:ドラァグクイーンは、女性という姿をかなり強調しています。見本となる女性らのすてきで最高な部分を少しずつピックアップして、それを1000倍にも誇張。目は大きく、眉毛は美しく、ふっくらとした唇、チークもたっぷり乗せて、シュッとした高い鼻にメイクして……女性の美を強くアピールすることで、非現実的に仕上げているのです。
ヴェラ:アートであり、メイクをする人はペインター(画家)だと思っています。そしてドラァグクイーンのメイクに決まりはなく、自分の思い描くクイーンを自由に表現して良いんです。ドラァグクイーンと聞くと、ド派手なヘアスタイルやメイク、ハイヒール、マーメイドドレスなどの華美な装いが思い浮かぶと思いますが、私はその常識をぶち壊したい。ツインテール、スニーカー、ダイナミックなダンス、自分が一番クールだと思える、目指すべきクイーンを自由に表現しています。