発達障害で集中力の続かない息子が、偏差値50台から麻布中学に合格した勉強法
今春、偏差値50台だった息子さんが、受験決断後わずか2か月で麻布中学に合格して話題となった元テレビ東京アナウンサーの赤平大さん。息子さんが発達障害で、またギフテッド(※1)であることでも注目を集めました。 ADHD(※2)の特性で集中の維持が困難なため、学習塾には通えず、1日の勉強時間は1時間程度が限界だったという息子さん。いったいどのような方法で麻布中学に合格をされたのか、小学校6年間、息子さんの登下校から習い事すべてに帯同し、文字通り“二人三脚”でサポートをし続けた赤平さんにお話を伺いました。 フツーの中学生が、世界最難関ミネルバ大学へ!? 行動力モンスター「ゆじーくん」って何者!? ※1 ギフテッド……特定の学問や芸術性、創造性、言語能力などにおいて、同世代の子どもよりも著しく高い能力を先天的に持った人のこと。高IQであることが多いが、「イコール勉強ができる」わけではない。 またギフテッドと発達障害を併せ持っている子どもを“twice-exceptional(=二重に特別な)”の略で“2E(トゥーイー)”と呼ぶ。この場合、得意なことと苦手なことのギャップが大きいため、生きづらさを抱えていることが多い。赤平さんの息子さんも“2E”。 ※2 ADHD……注意欠如・多動性障害。不注意、多動性、衝動性の3症状を主な特徴とする。これら3つの特徴が同時にすべて現れるわけではなく、“不注意”が目立つ場合、“多動性”や“衝動性”が目立つ場合、またすべてを併せ持つ場合など、人によってさまざまな形で現れる。
受験2か月前の12月、息子が突然「麻布中学に行きたい」と言い出した
もともとは発達障害に手厚い横浜の私立中学を受験する予定でした。それが12月に「麻布中学校に行けるなら、行ってみたい」と息子が言い出したのです。受験まであと2か月足らずのタイミングでした。 息子が麻布を知ったのは、元麹町中学校校長で現・横浜創英中学校・高等学校校長の工藤勇一さんの「息子さん、麻布中が合うと思いますよ」というアドバイスがきっかけです。 工藤校長とは2015年に私が麹町中の学校改革のお手伝いをした縁で知り合い、息子の発達障害やいじめ被害を相談する中で、息子にも何度も会っていただきました。そして息子が小4の2020年、上記の一言を言われたのです。 そのときの私は「麻布中」は聞いたことがあっても難度は知らず、過去問を購入して算数のむずかしさにそっと本を閉じてしまったほど。そして過去問を購入したことすら忘れていたのですが、息子はそれがきっかけで麻布中学校の存在を知り、彼の中で「すごい学校」「憧れる学校」になったようです。