乱立!都知事選はドロドロ組織戦へ 重要な「応援団・支援組織」の中身 小池氏、蓮舫氏、田母神氏…有力候補の背景に迫る
特に、共産党は「熱烈な支援」を展開している。機関紙「赤旗」は動向を大々的に報じているほか、笑顔の蓮舫氏の写真と政策を紹介するビラも大量配布した。ただ、共産党は党綱領に「自衛隊解消」「日米安保廃棄」を堂々と掲げている。
立憲民主党の支持団体、連合の清水秀行事務局長は12日、「まるで共産党の公認候補のようだ。受け入れられない」と共同通信のインタビューに答えた。立憲民主党の一部にも、根強い共産党アレルギーがある。
鈴木氏は「共産党の選挙戦での運動量は抜群だ。『拒否感を凌駕(りょうが)するメリットがある』という計算だろう」と語る。
ネット中心に人気を誇る石丸氏は22日、中央区・水天宮前を振り出しに、江東区・富岡八幡宮、墨田区・スカイツリー前、台東区・上野駅前、中央区・築地本願寺など、東京の東部13カ所で精力的に街頭演説を行う。
支援体制も急拡大している。選対には、選挙プランナーとして知られる藤川晋之助氏が入った。大阪市議、東京維新の会事務局長などを歴任し、「選挙の神様」の異名もとる。藤川氏を陣営に招いたのが、大手コーヒーチェーン店「ドトールコーヒー」創業者の鳥羽博道氏だという。
数千人規模の選挙ボランティアが集まり、一部の情勢調査では無党派層に支持を広げ、「小池、蓮舫両氏の票を大きく削ることもあり得る」(永田町関係者)という。
保守層に支持される田母神氏は告示日(20日)朝、英霊が眠る千代田区の靖国神社に参拝して選挙戦をスタートさせた。出陣式には、参政党代表の神谷宗幣参院議員が駆けつけ、「力強い東京にしてくれるのは田母神さんだ」と訴えた。街頭演説には、「デヴィ夫人」ことデヴィ・スカルノさんが参加し、支持を呼びかけた。
鈴木氏は「東京の選挙は本来、幅広い無党派層をいかに取り込むかが勝負だ。だが、今回は、ドロドロとした〝組織戦〟も同時に展開されている」と分析している。