【箱根駅伝】“花の2区”は吉居大和、鈴木芽吹らエースたちの競演に注目!5区は山本唯翔、吉田響らが「山の神」に挑戦
第100回箱根駅伝(2024年1月2日、3日)の区間エントリーが12月29日に発表された。 第100回箱根駅伝の2区&5区のエントリーリストをチェック! 当日変更の可能性があるため、あくまでも“仮オーダー”ではあるものの、各校の戦略が垣間見えるかたちとなった。 各区間ごとにスポットを当ててみると、2区には駒大の鈴木芽吹(4年)や中大の吉居大和(4年)、國學院大の平林清澄(3年)、日大のシャドラック・キップケメイ(1年)、中央学大の吉田礼志(3年)ら“花の2区”にふさわしいメンバーが集った。 なかでも注目は前回区間賞の吉居だ。前回は区間歴代8位の1時間6分22秒で走破し、駒大の田澤廉(現・トヨタ自動車)や青学大の近藤幸太郎(現・SGホールディングスグループ)らに競り勝つ殊勲。前々回は1区で空前絶後の区間新記録を樹立した。 本人は「1時間5分30秒」という目標を掲げており、2021年に東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(現・Honda)が樹立した区間記録(1時間5分49秒)の更新も視野に入る。 キップケメイは予選会で、後半にアップダウンが待ち構える昭和記念公園コースでハーフマラソンを1時間0分16秒と好タイムを刻んだ。これは同コースでの日本人最高タイムとなる順大・塩尻和也(現・富士通)の1時間1分22秒を1分以上も上回る。塩尻はその3ヵ月後の箱根路で2区を1時間6分46秒と当時の日本人最高記録をマークしており、単純計算ではそれよりも1分以上速く走っても不思議ではない。 鈴木は吉居とともに1年時から主力選手として各大会で活躍してきたものの、意外にも駅伝での直接対決はない。展開次第では学生長距離界を代表するランナー2人の熱い競演が見られるかもしれない。 全日本7区区間賞の平林、ハーフマラソンで日本人学生歴代2位の1時間0分31秒を持つ吉田、今季絶好調の早大・山口智規(2年)も有力で、複数のランナーが1時間7分切りの好タイムをそろえてきそうだ。 5区では“山の神”誕生に注目だ。その候補筆頭に挙がるのが、前回区間新記録での区間賞を獲得した城西大の山本唯翔(4年)。自身が樹立した1時間10分04秒を上回ることはもちろん、ほぼ同じコース(函嶺洞門を迂回するぶん、現コースのほうが20m長い)だった2005年に順大の今井正人(現・トヨタ自動車九州)がマークした1時間9分12秒がターゲットだ。 他にも5区には注目選手がそろう。創価大は前々回1年生ながら区間2位と好走した吉田響(3年)がエントリー。今季は出雲駅伝5区、全日本大学駅伝5区と連続で区間賞を獲得しており、今回も区間賞となれば異例の“5区完全制覇”となる。吉田響も今井の記録を意識しており、「1時間8分45秒」を目標に掲げる。 前々回で区間2位だった吉田響からわずか2秒遅れの区間3位だったのが青学大の若林宏樹(3年)だ。前回は直前の体調不良で欠場となったが、2度目の山上りへ気合は十分。秋までは故障などで苦しんだものの、徐々に調子を上げ、今回また5区に登録された。 王者・駒大は前々回区間4位と好走した金子伊吹(4年)をエントリーしており、前回区間4位だった補欠の山川拓馬(2年)と合わせて上り候補は万全。その他にも11月19日の激坂最速王決定戦登りの部で優勝した国士大の山本雷我(4年)、中大の山﨑草太や早大の工藤慎作らルーキー勢も好走するかもしれない。 記念すべき100回大会で、新たな箱根のヒーロー誕生なるか。 1月2日の往路、3日の復路スタートの1時間10分前(6時50分)にメンバー変更が認められる。往路、復路合わせて当日変更は6人までで、1日最大4人まで変更できる。
月陸編集部