米原・グリーンパーク山東で「ジャパンプライド」 職人技の体験ブースも
米原のグリーンパーク山東(米原市池下)で11月2日・3日の2日間、「JAPAN PRIDE(ジャパンプライド)~いま、僕らの考える暮らしと工芸~」が開催される。(長浜経済新聞) 【写真】漆ぬり体験 イベントを企画したのは、長浜で1807年創業の「カネイ中川仏壇店」(長浜市曽根町)5代目の中川喜裕さん。中川さんは家業を継ぎ、塗り師・箔(はく)押し師として仏壇の製造、販売、修復を行い、国指定重要無形民俗文化財である「長浜曳山(ひきやま)祭り」の山車の修復にも携わってきた。近年では漆ガレージブランド「GNU urushi craft(ヌー・ウルシ・クラフト)」を立ち上げ、オリジナル商品を製造するほか、漆塗り体験ワークショップの開催、キャンプイベント開催など、次世代への漆文化の普及に取り組んできた。 同イベントは、「いま、僕らの考える暮らしと工芸」をテーマに掲げ、愛知の和紙店「柏彌(かしわや)紙店」(名古屋市中区)8代目の尾関良祐さんと共同で運営する。「既存の工芸展、マルシェ、アウトドアフェスとも違い、商品の販売だけでなく、より深く伝統工芸を知ることができるように」という思いから、ワークショップを中心に据える。中川さんは「漆塗り以外にも職人業界全般で跡継ぎ問題を抱えているところが多く、10年後にはできなくなってしまう技術がたくさんある。イベントでは、職人の手仕事の価値を再認識してもらえれば」と話す。イベントロゴは「ものづくりの基本」を表した「丸・三角・四角」と作り手の「手」をモチーフに制作したという。 両日とも県内外から出店者を集め、工芸店などの物販・体験は35店舗ほど、飲食は15店舗ほどが出店する。長浜の「tsumiki salon KINDI(ツミキ サロン キンディ)」によるキッズコーナーでは2000個の積み木や天然木製ブロック「ズレンガ」をそろえるほか、ロードトレインを施設内に走らせるなどして、子どもも楽しめる工夫を凝らす。 中川さんは「昔に返りたいわけではなく、僕たちが受け継いだ技術で新しい価値を生み出していければ。若い人や子どもたちなどにも来てもらえるように考え企画した。『組み木のコースター作り』『曲げわっぱ作り』『お茶ブレンド体験(合組)』など、さまざまな体験を用意しているので、親子で一緒に参加してもらえれば」と参加を呼びかける。「このイベントが、作り手と使い手が交流する機会になれば。来年、再来年と続け、小さな文化が始まる場所になれれば」とも。 開催時間は、2日=11時~17時、3日=10時~15時。入場無料。雨天決行。
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