センバツ2023 大阪桐蔭、一丸で夢切符 履正社、満面の笑み咲く(その2止) /大阪
◇初の春王座を目指す 豊中市長興寺南4の履正社ではこの日午後3時から、校舎2階の釜谷記念ホールで野球部員、一般生徒、保護者ら約100人が「センバツLIVE!」の配信を見守った。同4時すぎ、近畿地区7枠の5番目で「履正社」が呼ばれると、選手たちは拍手し、互いに握手して喜んだ。 その後、校庭で松本透校長は「うれしい。でも、ここがゴールではない。冬に体と技と心を鍛え、春に満開の花を咲かせて」と語りかけた。多田晃監督は「いろんな人に『おめでとう』と言われるだろう。感謝の気持ちで取り組んで」と話した。森沢拓海主将(2年)は「思い出を作りに行くのではなく、優勝するためにやる。気を引き締めていこう」と呼びかけた。 ◇投手力向上に力 2019年夏の甲子園でチームを全国制覇に導いた岡田龍生・前監督(現東洋大姫路監督)が22年春に退任し、後任に多田晃部長が就いてから初の甲子園出場となる。新監督の下で、チームは初の春の日本一に挑む。 多田監督はこの冬、投手力の向上を図ってきた。5人の投手の直球はいずれも最速140キロ台を誇る。主戦左腕・増田壮投手(2年)は1年時から公式戦のマウンドを経験しており、制球力が高い。速球のほかスライダーなどの変化球を操る。 右上手の今仲巧投手(2年)はスライダー、カーブ、カットボールの制球が光る。左上手・福田幸之介投手(2年)は力で相手を抑え込むタイプ。高木大希投手(1年)は速球と90キロ台のカーブの緩急で打者を惑わせ、中村太星投手(2年)はチーム最速147キロの直球に可能性を秘めている。 5人をリードするのは、強肩の坂根葉矢斗捕手(2年)だ。投手陣とよく対話し、後輩の面倒見もいい。チームで最もバットを振り込む4番打者だ。 1番は強肩強打の西稜太選手(2年)、2番にミート力の高い森沢拓海主将(2年)、秋の府予選で4本塁打を放った3番・森田大翔(はると)選手(2年)が並ぶ。6番・近沢賢虎(けんご)選手(1年)は俊足で選球眼がよく、好機を広げる。