37年の生涯しのび 合唱や朗読、郷土芸能 花巻・賢治祭700人集う
詩人で童話作家の宮沢賢治(1896~1933年)の命日の21日、出身地の花巻市で「賢治祭」が開かれた。同市若葉町の市文化会館には県内外から約700人が集い、合唱や朗読、講話、郷土芸能の上演などを通じて賢治をしのんだ。 黙とうをささげた後、参加者全員で「精神歌」を斉唱し、市立花巻小学校3年生18人による「雨ニモマケズ」の群読で開会。主催の宮沢賢治記念会の佐藤良介理事長はあいさつで多発する自然災害や二度の三陸地震・大津波に挟まれるようにして37年の生涯を終えた賢治の人生などに触れ、「賢治が希求した世界全体の幸福、平和が一日も早く訪れるよう祈りたい。きょう一日、賢治の世界に思いをはせ、賢治さんをしのんでほしい」と呼び掛けた。 市立南城小4年生76人は賢治の童話「月夜のでんしんばしら」の「ドッテテ ドッテテ―」と行進する曲に合わせて登場し、「ポラーノの広場のうた」など2曲を合唱。ピアノ伴奏した児童(10)は「(賢治の)みんなに優しかったり、最後まで自分の信念をもってやり通すところを尊敬している。私もみんなの役に立てるような人になりたい」と思いを語った。