海外で同性婚、偽装結婚と疑われ「悔しくて泣いた」 日本では夫婦と認められなくて不安に…法の壁と戦う日仏カップルの思い
社会の見方を変えたいーと家事審判に踏み切る
2人はもともと同性婚を日本でも認めさせ、社会の見方を変えたいと考え、同性婚をテーマにした映画も制作してきた。婚姻届の不受理も想定内。昨年10月に家事審判に踏み切った。 コガリさんによると、フランスでは同性婚が法制化される前、政治家の一部が反対し、反対デモを起こす市民もいた。だが、法制化後は「同性婚が特別なものではなく『普通のこと』として受け入れられるようになっていった」。 日本でも状況は変わりつつある。札幌高裁が3月、同性婚を認めない民法などの規定を「違憲」とする判決を出した。フランスでも話題になり、友人から「もうすぐ日本でも結婚できるかもね」と言われた。ただ、2人は「違憲とされたのはうれしいが、大きい望みは持たないようにしている」と冷静に受け止めている。
2人が暮らすパリ郊外の集合住宅では日、仏、英の3カ国語が飛び交い、うどんにフランス産カマンベールをかけた料理が食卓に載る。家族として重ねてきた時間、家庭が実在するのに「理由もなく婚姻届が不受理になるのはおかしい」と2人。交流サイト(SNS)で誹謗(ひぼう)中傷を受けることもあるが、「同じ世界に生きる人間が訴え、行動しているんだ」と力を込める。