中小企業の販路開拓にCFを活用 東京都振興公社とパルコの支援事業が3年目に
東京都内の中小企業がクラウドファンディング(CF)を活用して販路開拓するのを支援する、東京都中小企業振興公社とパルコによる事業が3年目に突入した。すでに事業から巣立って、自らCFで消費者の需要を喚起し、製品販売を行おうとする企業もある。公社の担当者は「CFを介した販売手法を一から確立するのが難しい企業もあり、サポートの意義は大きい」と手応えを感じている。 今年度は、公社の「中小企業ニューマーケット開拓支援事業」で支援中の企業のうち、便利グッズなど生活雑貨関連を中心に14社がCF活用支援に参加した。パルコの運営するCFサービス「BOOSTER(ブースター)」に専用サイトが開設されたほか、今月20日まで、錦糸町パルコ(墨田区)の特設会場で、実際に製品が展示されている。 起業家らがCFを活用して事業を成功に導く事例も増えているが、公社の担当者によると、人手や資金の限られる中小企業にとって、CFはページ制作や掲載手数料のハードルが高く、挫折するケースが少なくない。この事業では、パルコの専任アドバイザーが進行管理などをサポート。公社が費用を補助し、未経験の企業でもCFを完了まで導ける仕組みを整えている。 昨年度は19企業が参加し、「ノウハウが勉強できた」として、9割近くの企業から今後もCFを利用したいとの声が上がった。 公社によるニューマーケット開拓支援事業は平成15年度にスタート。令和4年度からCFの活用支援を行っている。 申し込みなどは、公社サイト(https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/shien/new_market/)へ。