現物暗号資産ETFの登場でビットワイズがファンドラインナップを再考
ビットワイズ(Bitwise)は、今年1月に行われた画期的な現物ビットコインETF(上場投資信託)発売に参加した資産運用会社の1つで、現在20億ドル(約3000億円、1ドル150円換算)のビットコイン(BTC)を保有するファンドを導入した。 しかし、これに加えてイーサリアム(ETH)のETFが続けて導入されたことで、投資家にビットコインとイーサリアムへのエクスポージャーを提供するビットワイズの従来の商品3本に対する関心が低下した。これらの商品がエクスポージャーを提供する方法は現在魅力が低いと見なされている。これにより、同社は暗号資産(仮想通貨)に連動する先物契約を保有していたこれら3本のファンドを、米国債を絡めてやや異なるアプローチを取る商品1本に統合することに決めた。 ビットワイズは4日、Bitwise Trendwise Bitcoin and Treasuries Rotation Strategy ETF(BITC)を発表した。このファンドは、Bitwise Bitcoin Strategy Optm Roll ETF(BITC)、Bitwise Ethereum Strategy ETF(AETH)、Bitwise Bitcoin and Eth Eq Wgh Str ETF (BTOP)を統合したものだ。 ビットワイズは声明で、今年現物のビットコインとイーサリアムのETFが登場したことで、長期的な値上がり益を求める投資家にとって先物ベースの暗号資産ファンドの魅力が低下したと述べた。 新しいファンドでは、ビットワイズは市場トレンドに基づいて暗号資産先物契約への100%エクスポージャーと米国債への100%エクスポージャーの間で資産配分を変化させることで、暗号資産市場のボラティリティをより適切に管理できる。 ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のETFアナリスト、ジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏は、「ビットワイズはおそらく、顧客や潜在顧客の求めに応じているだけだ」とし、「ビットワイズにはアクティブ運用部門があるため、試してみる価値はある。ビットコインに投資したいが、ボラティリティ、特に下落時のボラティリティ・ドローダウンを抑えたいと考える投資家がいることは分かっている。これはそれを目指すものだと思う。成功するかどうかは今後数年で分かるだろうが、市場のタイミングを計るのは非常に難しい」と述べた。 ビットワイズは、この統合が12月3日に行われる可能性が高いと述べた。新しいファンドの経費率は0.85%。 |翻訳・編集:林理南|画像:ビットワイズの最高投資責任者(Suzanne Cordiero/CoinDesk/Shutterstock)|原文:Spot Crypto ETFs Prompted Bitwise to Rethink Its Fund Lineup
CoinDesk Japan 編集部