入学や就職祝い、母の日ギフトに。可憐なピンクの「スプレーバラ」ブーケ&アレンジ
藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい!
「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。 【写真】スプレーバラを使ったブーケ&アレンジメントをもっと見る
4月の花「スプレーバラ」
藤野幸信/Yukinobu Fujino 広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。
長野・伊那谷生まれのスプレーバラは花も名前もひたすら愛らしい!
切り花では、1本の茎の先端に花を一つ咲かせるものをスタンダード、1本が枝分かれして複数の花を咲かせるものをスプレーと呼びます。今回は、バラのスプレータイプをご紹介します。 スタンダードより花は小ぶりながら、可憐な雰囲気のあるスプレーバラは、贈り花の彩りやアクセントに使いやすい花です。なかでも私が気に入ってよく利用するのが、長野県南西部にある伊那谷の「萬華園」さんが生産する3品種。‘ペッパーベリー’、‘ルージュベリー’、‘ストロベリーモンローウォーク’、と「ベリー」が入る名前が愛らしく、いずれも「萬華園」さんが生み出したオリジナル品種です。知り合いの東京の花屋さんが絶賛するので、一度見てみたい、と‘ストロベリーモンローウォーク’を取り寄せたのが、「萬華園」さんのスプレーバラとの出会いでした。 実物を目にし、その花姿に魅了されました。きれい、エレガントという形容より、たまらなくかわいらしい!少ない枚数の花弁がひらひらする姿や、咲くほどに内側に色がのってくるグラデーション。1輪1輪の表情が異なるので、1種だけ束ねても絵になります。この花を生み出した生産者さんのセンスのよさに感嘆しました。 ‘ペッパーベリー’は丸みのある花弁が重なる花形が愛らしく、花色のピンクが絶妙にかわいらしいスプレーバラです。花弁の裏側が白なので、アングルによってはバイカラーにも見えるのも特長。‘ルージュベリー’も同様に裏側が白く、‘ペッパーベリー’より濃いピンク。どちらも花弁の間にゆとりがあり、巻きがゆるやかなところに表情の豊かさを感じます。 出荷の際の咲き加減のタイミングを「切り前」といいますが、「萬華園」さんは、切り前がとてもよく、いつもちょうどよい咲き加減で出荷してくれます。それもやはりセンスのたまものだといつも感心させられています。 入学や就職祝いの贈り花に、そして来月に控えた母の日ギフトに、3品種のスプレーバラは大活躍してくれます。花びんに1本挿すだけでバランスよく仕上がるので、もしお近くの花屋さんで見かけたら、ぜひご自宅でも飾ってみてください。花もちのよさに驚くと思います。