「逃げ勝っても面白くない。勝つなら正々堂々と王者の勝ち方を」【空前絶後の113勝、ジャンボ尾崎の名言7ヵ条-2 】
ツアー勝利数113勝という空前絶後の記録を達成した“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司。現在は、原英莉花、佐久間朱莉、小林夢果を始めとする多くの女子プロたちの師も務めているが、現役時代は1997年に世界ランキング5位、2010年には世界ゴルフ殿堂入りも果たした。そんな目覚ましい記録を有するジャンボ尾崎は、これまでにいくつかの名言を残している。その名言を7ヵ条とし、今回は彼がこだわった「自分のゴルフ」に言及したインタビューを紹介する。
「逃げて勝ってもおもしろくない。OBを3発同じところへ打つのは俺の勲章だよ」
1971年、彗星のごとくデビューし、たった1年で「日本ツアー」を生み出した尾崎。その尾崎をライバルとして、旧プロ世代を代表する形で台頭したのが青木功だった。先日行われたJGTOの会長退任記者会見でも「ジャンボは嫌うかもしれないけど、生涯ライバル」と語っており、もし尾崎がいなければ、青木も覚醒することがなかったかもしれない。 AO時代(青木・尾崎時代)にさしかかる1979年頃、青木のプレースタイルを表現しながら、尾崎は自分の理想とするゴルフを語っていた。 「例えば、青木選手はアプローチ、パットは世界の3本指に入るでしょう。僕らが2メートル入れる確率と、青木さんが4メートル入れる確率は大体同じだからね。これはドライバーも倍くらい真っ直ぐ飛ばさないと対等に戦えないといってもいい数値だよ。 人より20メートルも先に正確に飛ばすというのは非常に技術的なものが要求されるわけ。しかし、そうしないと青木さんに絶対太刀打ちできない。他の人が6番アイアン持って、僕がピッチング持つから勝負できるんであってね。飛ぶんだからアイアインで刻めというけど、刻んで他の人より前に打って何になる? ただOBを避けてフェアウェイをキープして……それは僕のゴルフじゃない。 また、そこからピンにからませる技術があるのかどうか? 今の僕にはそんな技術はない。だからわざわざ後ろから打つことはないと思っているんだよ。刻んで正確にピンにからませられるんだったら、日本でドライバーは一切使わないよ。