KYB免震検査データ改ざん問題・通天閣も該当か 副社長「困惑している」
KYB免震検査データ改ざん問題・通天閣も該当か 副社長「困惑している」報告・撮影:柳曽文隆 THE PAGE大阪
油圧機器大手の部品メーカー「KYB」と子会社の「カヤバシステムマシナリー」が製造した建物用の免震、制振装置であるオイルダンパーの検査データが改ざんされていたと国土交通省が16日に発表。発表後は関西でも通天閣や大阪府庁本館で同じ型のダンバーが使用されている可能性があることが分かった。今回の件を受け、通天閣観光の高井隆光副社長は「とても困惑している。スピード感をもって正しい情報を伝えてほしい」と話している。 【写真】2015年の免震工事中に足場から撮影した写真。ダンパーが脚部に設置されているのがわかる
脚部の四隅にダンパーを設置
同省の発表によると、KYBが改ざんしたのは、地震が発生した時に建物の揺れを抑える「免震用オイルダンパー」と「制振用オイルダンパー」で、2000年3月から今年の9月までに出荷されたものだという。これらは全国各地、計986件の建物で使われているとされ、関西にも衝撃が走った。 大阪市浪速区の通天閣でも、データが改ざんされていたとされるものと同型のダンパーが4本使われていることが分かった。通天閣観光の高井副社長によると、通天閣では2015年に耐震構造を免震に変える工事を実施。その際に、建物を支える地上からの高さ約10メートル付近の脚部の四隅にダンパーを設置した。
「連絡がなく困惑」「刻も早く正しい情報を」
高井副社長は「16日夕方のネットニュースで今回の発表を知りました。KYBと知ってうちの免震ダンパーが該当するのではと思い、工事を請け負った竹中工務店に問い合わせましたが、事務局が混乱して連絡がつかないとのことです。また発表された不正商品の内容から、同じ型のダンパーが使われている可能性があると知りました」と困惑した様子で話した。 また「今後調査が必要で交換にあたるかなどはまだ不明です。19日に設置の了解が得られれば発表ということですが、こちらには今まで(18日正午現在)連絡がなく、困惑しています。世界に誇る日本の技術の最先端を走る大きな会社と思っていたのに悲しいですね。一刻も早く正しい情報を伝えて改善してほしいです。本当に改ざんは残念」と話していた。