「結果が全て」巨人・菅野智之が戸郷翔征にエースの心得伝授 V旅行ゴルフで“継承式”
巨人から海外フリーエージェント(FA)権を行使してメジャーに挑戦する菅野智之投手(35)が11日(日本時間12日)、戸郷翔征投手(24)に「エース道」を継承した。優勝旅行先の米ハワイで行われたゴルフでは、2日連続同組でラウンド。リラックスムードで言葉を交わしつつ、「結果が全て」とどんなに苦しい時でも踏ん張るエースとしての教えを説いた。 ハワイのさわやかな風に吹かれながら、菅野から戸郷への“エース継承式”が行われた。2日連続の同組でゴルフを楽しんだ2人。メジャーに挑戦する菅野が、後輩への置き土産のようにエースの心得を口にした。 「結果でしか見返すというか示すことはできない。それだけを肝に銘じて、逆に結果が全てだと思ってやっていれば、僕はいいと思う。それを常に考えながらやってくれれば、と思います」 自身初の開幕投手を任され、エース級が並ぶ金曜日を担いながら3年連続の12勝をマークした戸郷。重圧も感じる中、今季15勝でMVPに輝くなどチームを支えた背番号18の存在は心強かった。しかし、その大先輩も海を渡る。「来年は菅野さんもいなくなるし、やらなければいけない、という自覚もいつもより強いです」。楽しげに語り合いながら過ごした時間が、さらに責任感とエースとしての覚悟を高めた。 2人に加えて阿部監督、国松球団社長も同組でラウンドした。菅野は「グラウンドを離れた阿部さんの優しい一面をたくさん見られたので癒やされました」と頬を緩め、「すごい楽しいし、みんなと過ごせる最後の時間だと思うのでね」と感慨深げに語った。今後もハワイでトレーニングに励みながら、移籍先決定を待つ。「体の状態はいいので毎日充実した時間を過ごせていると思います。これからどういうふうになるかは、まだ分からないし、待つことしかできないですけど、いい方向にいくことを願っています」 長きにわたって巨人のエースとして戦い続けた熱き思いを後輩に託し、自身もアメリカで夢をかなえる。プレー中にぱらついた小雨が上がったとき、明るい未来を予言するかのごとく、七色の虹が2人の頭上に架かった。(水上 智恵)
報知新聞社