「母は58歳で総入れ歯」ものまね芸人・ハリウリサ はなわの作詞作曲で歌手デビューの裏話と葛藤に満ちた生い立ち
友達に話したことで、素でいれると言いますか、もう嘘をつかなくていいと思ったら、精神的なストレスはすごく減りました。人に言うのはすごく怖かったんですが、信用できて、打ち明けられる人にだけでいいので、悩みがある方は誰かに話してみてほしいなと思います。その友達とは今も仲がいいです。
■「愛は自由」母と話した性のこと ── お母さんに話したのはいつ頃でしたか。 ハリウさん:結構、大人になってからです。仲のいい友達には打ち明けたものの、それでもやっぱり男の人を好きにならなきゃいけないと思っていた自分がいました。男女の恋愛が世の中の普通で、自分が女の人を好きなのは間違っているという思いが消えなくて。
23歳の頃に、先輩の男性芸人とお付き合いをしていたことがありました。それがテレビで流れているのを一緒に観ていた母が、「いや、これあんた嘘でしょ。男の人、好きじゃないでしょ」と私に言ったんです。今まで自分では、母には隠し通せていたと思っていたんですけど、実はずっと気がついていて、あえて言ってこなかったんだなと。 そこで初めて、性について母と腹を割って話しました。これまで無理してきたことや、昔から女の人が好きだったこと。
母から初めて聞いた話もありました。周りの友達やフィリピンの親戚から「あんたの娘、女の子なのに男の子っぽくておかしいよね」と言われていたことがあったそうなんです。でも、母は「別にそうだとしても、おかしくはないでしょ。あなたたちに迷惑かけていないんだから、好きにさせてあげて」と言い返していたと。 母は私に「愛は自由だから、このままでいいんだよ」と言ってくれました。今まで何も言わないでいてくれた優しさと、母の偉大さを感じましたね。
── お母さんを避けるようにしていた時期もあったと伺いました。 ハリウさん:見た目が目立ちますし、周りから母のことを言われるのが嫌だったので、一緒にいたくなかったんです。休みの日も、お父さんと過ごすことが多かったと思います。今がいちばん一緒に過ごしている時間が多いですね。収録現場に一緒に行ったり、出かけたり。大人になってから、いい関係になって思い出も増えてきていると思います。今は恋愛や仕事の話もして、なんでも話せる関係です。