「ボロを着ていては人々は話を聞いてくれない」 仏教の教えから学んだ「着飾ることの大切さ」 メイクアップアーティスト・僧侶 西村宏堂
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(1月25日放送)にメイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂が出演。LGBTQ+(プラス)として生きていくことについて語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。1月22日(月)~1月26日(金)のゲストはメイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂。4日目は、観音菩薩の教えとLGBTQ+について― 黒木)宏堂さんは2021年、アメリカの雑誌『TIME』で「次世代リーダー」21人に選出されました。 西村)受信ボックスに「興味はありますか?」というメールがきたのです。「何だこれは!」と思ったら、そのリーダーに選ばれて、雑誌にも「ドンッ」と載って、ウェブサイトで動画も紹介していただきました。 黒木)やはりLGBTQ+の活動家として、また僧侶として活動なさっていることも大きいですよね。 西村)いままでみんなが思っていた僧侶の姿をアップデートしている、ということで選んでもらったのかなと思います。 黒木)印象的だったのは、観音菩薩についてのエピソードです。とても華やかなのですよね? 西村)仏教と言うと、質素でミニマムで厳格な印象があるではないですか。私もそれが嫌だったのです。本来の自分と真逆の方に押し込められてしまうのではないかと思い、窮屈に感じていました。 黒木)仏教を。 西村)華厳経というお経のなかに、冠をつけて煌びやかな格好をしている観音菩薩がいらっしゃるのです。「私のように素晴らしい菩薩になりたいのであれば、荘厳な身なりと、頭脳明晰で力強い体、素晴らしい優秀なお付きの者をつけていることが大事です。そうでなかったら、あなたのことを人は尊敬してくれないでしょう。みんなが素敵だと思ってくれるからこそ、あなたは人にメッセージを伝えて導くことができるのです。もしボロを着ていたら、誰が話を聞くでしょうか」という教えがあったのですね。 黒木)華厳経のなかに。 西村)私の父は仏教の哲学者だったので、「こんなのもあるよ」と教えてくれたのです。「仏教は知れば知るほど、いろいろな教えがあるのだな」と思いました。必ずしも着飾ることがいけないわけではないと思います。土曜日の朝からパジャマを着たままでずっといると、気持ちがだらんとして、テキパキ動けないですよね。 黒木)なかなか着替えずに。