【65歳夫婦】貯蓄額は「1000万円」です。「老後破綻」しないですよね?
老後の生活費はどれくらいかかるのか
60歳代夫婦世帯の貯蓄額を確認しましたが、老後はどれくらいの生活費がかかるのでしょうか。 総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦のみ無職世帯の平均生活費は月額28万2497円です。 もちろん持ち家か賃貸かなどにより生活費は大きく異なりますが、本記事では月額28万2497円を生活費の基準とします。
年金はどれくらい受け取れるのか
老後は、年金を受け取れます。では、どれくらいの年金をもらえるのでしょうか。 厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者と国民年金の平均年金受給額は以下のとおりです。 ●年金の平均受給額 ・厚生年金受給者の平均年金額 :月14万3973円 ・国民年金平均額:月5万6316円 会社員や公務員などとして勤めていた厚生年金受給者は、月14万3973円の年金をもらえます。 一方で、自営業者や専業主婦などの国民年金のみしかもらえない人の平均年金受給額は月5万6316円と少額です。 上記の数値を基に算出した、夫婦モデル別の月額年金受給額は以下のとおりとなります。 ●【夫婦モデル別】月額年金受給額 ・1.会社員共働き夫婦 月28万7946円(14万3973円×2人分) ・2.片働き夫婦(会社員と専業主婦(夫))月20万289円(14万3973円+5万6316円) ・3.自営業者夫婦月11万2632円(5万6316円×2人分) 現役時代の働き方によって、老後の年金受給額に大きな差が出ることがわかります。 ここまで老後のお金事情を確認してきました。 たとえば貯蓄が「1000万円」あれば老後破綻しないのでしょうか。次章でシミュレーションしていきます。
貯蓄1000万円で老後破綻するのか
今まで紹介した「老後の平均生活費」と「年金受給額」を基に、貯蓄1000万円で老後破綻するのかをシミュレーションしてみましょう。 夫婦モデル別にみた、老後に毎月不足する金額は以下のとおりです。 ●【夫婦モデル別】老後に毎月不足する金額 ・1.会社員共働き夫婦 月28万7946円(年金受給額)ー月28万2497円(生活費)=+月5449円 ・2.片働き夫婦(会社員と専業主婦(夫))月20万289円(年金受給額)ー月28万2497円(生活費)=▲月8万2208円 ・3.自営業者夫婦月11万2632円(年金受給額)ー月28万2497円(生活費)=▲月16万9865円 会社員共働き夫婦であれば、年金だけで暮らせます。そのため、極論、貯蓄がまったくなくても老後破綻しません。 一方で、片働き夫婦や自営業者夫婦は年金だけで生活費を賄うことはできないため、貯蓄が必要です。 老後が20年間ある場合、年金とは別に必要な貯蓄額は以下のとおりです。 ●【夫婦モデル別】老後の20年間で必要な貯蓄額 ・2.会社員の夫と専業主婦の夫婦(片働き夫婦)月8万2208円×20年間=1972万9920円 ・3.自営業者夫婦月16万9865円×20年間=4076万7600円 片働き夫婦では1972万9920円、自営業者夫婦では4076万7600円の貯蓄が必要となります。どちらも貯蓄1000万円では足りません。 そのため、65歳で貯蓄が1000万円しかない場合は、平均よりも生活費を減らすか、再就職するかなどの対策を検討した方がいいでしょう。