山田涼介が体現した“令和の教師像” 『ビリオン×スクール』が現代に“共感”を生む理由
鬼塚(反町隆史)&加賀美(山田涼介)の決定的な違いとは?
昭和、平成、令和と時代が移り変わってゆく中で、当然、教師と生徒との関係性も変化してきた。『GTO』の鬼塚と決定的に異なるのは、生徒へのアプローチの仕方だ。鬼塚は常に生徒たちのよき兄貴分としてフラットな目線で接しているのに対して、加賀美は第1話で語った教師像「生徒よりも立場が上である」というスタンスはあくまでも崩さずに、AIを駆使して生徒の悩みを分析して必要があれば手を差し伸べる。決してプライベートにまで深入りすることはしない。それが加賀美のスタンスであり、山田が体現する令和の教師像だ。 『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』(日本テレビ系)や『金田一少年の事件簿』シリーズ(日本テレビ系)、映画『暗殺教室』シリーズなど、数多くの生徒役を経験してきた山田が、今度は教師として生徒に向き合うのはなんとも感慨深い。同時に、この加賀美という役は生徒の気持ちも知っている山田でなければ成り立たなかったとも思う。 最終回では、生徒を実験台にしていた加賀美と芹沢、そして真紀子に処分が下される。加賀美の件はニュースでも報じられるが、それでも加賀美を信じていたのは彼の教え子たちだ。生徒たちの思いは加賀美のもとに届くのか。
川崎龍也