【高校サッカー福岡全力応援】受け継がれる伝統「東福岡」を応援したい5つのこと
4.「最高の戦術はサイド攻撃」初のOB監督が目指すもの
華麗で流れるようなパスワークで相手を切り崩すスタイルから“赤い彗星”とも呼ばれる東福岡。就任1年目の平岡道浩監督は、東福岡初のOB監督です。 志波元監督のもと、4-1-4-1の右サイドハーフ(ウイング)でプレーした選手時代。3年生でレギュラーだった74回大会では冬の国立を経験、静岡学園との準決勝にスタメン出場しました。1-1の末PK戦で敗れ、ベスト4に終わったものの、大会優秀選手に選ばれました。 鹿屋体育大学を卒業した2000年(79回大会)から母校に戻りサッカー部のコーチを24年務め、去年12月、OBとして初めての監督就任となりました。 「最高の戦術はサイド攻撃」と話す平岡監督。自らのサイドでの経験も踏まえ「ボールをもらいたいポジション」などを細かく設定し、距離感をかなり緻密にして、伝統のサイド攻撃を再構築しました。「志波先生イズム、森重さんイズムを引き継ぐ大サイド攻撃をしたい」「サイドからガンガン攻めてクロスを上げるようなザ・東福岡でありたい」とサイドへのこだわりは人一倍強いです。 さらに今年は手堅い守備と破壊力のあるカウンターにも磨きをかけました。「見ている人をワクワクさせたい。スタンドで『おー!』と言われたい。それが感動につながり、伝統につながる」監督として迎える初めての選手権、東福岡のプライドを胸に、指揮を執ります。
5.220人の部員を束ねるキャプテンの覚悟
個性が強く仲の良い今年のチームをまとめるのは、キャプテンの柴田陽仁選手(3年)。1対1の守備が光る左サイドバックで、堅守への貢献はもちろん、オーバーラップでの攻撃参加など伝統のサイド攻撃も支えています。 「個性が強くいろんな特徴を持つ選手が多い分、まとめるのが大変だった」とこの一年を振り返りますが、「柴田がキャプテンだったから今年のチームはまとまった」と仲間は口をそろえます。 ストイックな姿勢で日々の練習に向き合い、練習前のゴミ拾い・練習後の片づけも率先して行います。自らが先頭になって行動を起こし、仲間に信頼されるよう背中で示してきました。 220人という大所帯、トップチーム以外の選手たちへの声かけも欠かさず、仲間の試合の応援も積極的に行いました。「先頭に立って引っ張っていきたい。一番は寄り添える存在になりたい」仲間を思う優しい気持ちがチームを一つにしています。 そんなキャプテン・柴田選手がチームメイト・スタッフと共に目指すのは全国の頂点です。9大会前の94回大会、当時小学生だった柴田選手は、全国制覇する東福岡の姿を見て憧れました。「自分たちも全国で優勝して、当時の自分がそうだったように、小さい子どもたちに『東福岡に入りたい』と思ってもらえるようなサッカーがしたい」 東福岡の初戦は12月29日に行われる福島代表・尚志高校との1回戦。4度目の頂点へ、3大会ぶりに帰ってきた“赤い彗星”が伝統のサイド攻撃で、観客を魅了します。 (取材・文 高校サッカー選手権民放43社/福岡放送)