新川優愛、看護学校のリアルを実直に伝える『いつまでも白い羽根』に好感
看護学校のリアルを再現 派手な仕掛けや演出はない実直なつくり
ベッドメイキングや清拭、洗髪、浣腸など授業シーンも、元看護学生らが「再現率が高すぎて笑った」「こういうドラマを待っていた、看護学校の辛さよ広まれ」「看護科の人、絶対観たほうがいい」とネット上で盛り上がるほどリアルに再現されているようだ。一生懸命取り組んでいるのに、悲しいぐらいドジぶりを披露してしまう千夏に既視感を抱いたのだが、記憶をたどると堀ちえみ主演の往年のヒット作『スチュワーデス物語』(1983-84、TBS系列)にたどり着いた。だが、このドラマではそんな千夏は主役ではなく、あくまで助演であって、そこがウリではない。ヒロインに次ぐポジションにいる千夏の愛すべきキャラクターは、ドラマに潤いとゆとりを与えている。必死で、真剣で、いろいろなことを体験しながら成長していくのだけれど、どこか面白おかしくもある、そんな青春物語。派手な仕掛けのあるドラマではないし、演出もオーソドックスだが、そこがいい。“大人の土ドラ”たる所以だろう。 看護師を目指す学生たちの奮闘と成長、恋、そしてそれぞれが抱える複雑な事情や背景には医療ミスなどの要素もからんできそうだ。これからが、ドラマ本番という感じ。Tverでは2話が公開中だが、後半で戴帽式が行われ、いよいよ病院実習が始まるところ。いまからならまだ十分間に合う。ゴールデン帯のような派手さはないかもしれないが、観ていて疲れない、ドラマらしいドラマだ。 次も観たい度 ★★★★★ (文・写真:志和浩司)