<いちばんすきな花 最終回>男女間の友情に一つの答えを出し、世界トレンド1位で終幕
多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠が“クアトロ主演”を務めるドラマ「いちばんすきな花」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系) の最終回となる第11話が12月21日に15分拡大で放送された。語りたくなるドラマとして毎話大きな反響を呼んできた本作。最終回もX(旧Twitter)で、日本&世界トレンド1位で有終の美を飾った。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】自宅でくつろぎモードのゆくえ(多部未華子)の妹・このみ(齋藤飛鳥) ■椿の家でしばらく一緒に住むことを決めた4人 社会現象にもなったといわれる2022年10月期のドラマ「silent」(フジテレビ系)のプロデューサー・村瀬健氏と脚本家・生方美久氏が再びタッグを組んだ本作。「男女の間に友情は成立するのか?」という永遠の命題をテーマに、違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す“友情”と“恋愛”、そしてそこで生まれるそのどちらとも違う“感情”を描く。 学習塾の講師をしている34歳の潮ゆくえを多部、出版社に勤める36歳の春木椿を松下、美容師で26歳の深雪夜々を今田、コンビニで働きながらイラストレーターを夢見る27歳の佐藤紅葉を神尾が演じる。 椿の家が“部室”のような居心地のよさで、居場所となっていた4人。最終回は、ゆくえの提案により、もうすぐ引っ越しとなる椿の家でしばらく一緒に“住む”ことに。そして、その後の4人の姿まで丁寧に描かれた。 ■ゆくえの「男女間の友情って成立するの?」という問いに美鳥が答える いってきます、いってらっしゃい、ただいま、おかえりを言い合い、一緒にカレーを作るなどして過ごした日々。引っ越しの日がやって来て、定位置の“席”があったダイニングテーブルがなくなっても、4人でいる“席”はあり続け、関係は変わらなかった。 その後、4人共通の知り合いだった美鳥(田中麗奈)が椿の元家で、かつて自分が住んでいた家に戻ってきた。その家にあえて4人おそろいのマグカップを残していった椿ら。5人で集まることはないが、それぞれが美鳥と2人の時間を過ごすのだった。 「美鳥ちゃんよりあの3人が大事ってことでもない」「誰が一番とかじゃない」と話したゆくえのせりふがその関係を象徴する。 そして、ゆくえは美鳥に「男女の友情ってさ、成立するの?しないの?」と問い掛けた。美鳥の答えは「どっちでもいいんじゃない」で、ゆくえは「だよね!どっちでもいいよね」と同意した。 「人それぞれ」。どちらが、何が正解とかじゃない、本作が丁寧に描いてきた一つの答えだ。 ■藤井風が主題歌を歌う「最高の演出」で幕を閉じる 美鳥のナレーションで語られた「他人の価値観なんて理解できないけど、理解したいと思える他人と出会えることはある」。ゆくえら4人もそれぞれの価値観があって、その違いを尊重したうえで、関係が成り立っている。夜々が椿に、紅葉がゆくえにフラれ、恋人という2人組にはなれなくても、椿の家という集まる場がなくなっても、3人がいる場所が“帰る場所”になっていて、4人でいる心地よさは続く。 夜々が美鳥に語った「好きな人たちに自分が何を嫌いなのか知ってもらったら、すっごい生きやすくなった」という言葉も印象的だった。出会いによって変化が生まれていた。 最終回では、ゆくえの妹・このみ(齋藤飛鳥)や、ゆくえの親友・赤田(仲野太賀)、椿の元婚約者・純恋(臼田あさ美)、椿の弟・楓(一ノ瀬颯)、夜々の美容院の同僚・相良(泉澤祐希)、紅葉が気まずくなってしまった高校の同級生・篠宮(葉山奨之)らも登場し、これまでのつながりを鮮やかに見せていった。 また、ゆくえのちびっこ相撲、美鳥がゆくえに明かした一番好きな花、夜々の小学校時代の仲良しだったムラサキちゃんなど、ほんの少し会話に出ていたエピソードまで回収される楽しみもあった。 そしてラスト直前はサプライズ演出が。ゆくえらが“部室”と呼んだ椿の家のリビングで、藤井風がピアノを弾きながら主題歌「花」を歌唱。その後ろで4人が集まってくる姿と歌詞が重なり合っていき、深い余韻を出し、本当のラストは、インテリアショップのダイニングテーブルに座った4人が互いの“成長”を報告する様子となった。 本作には共感もあれば、ちょっと違うかもという意見ももちろんあり、SNSにはたくさんの感想が寄せられた。最終回も大きな反響を呼び、日本のみならず世界トレンド1位に。「『どっちでもいい』に救われた」「いろんな言葉が刺さるドラマだった」「最終回ジーンとした」などのほか、藤井の登場に「最高の演出」との声も上がった。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部