岸辺に繁殖した特定外来生物ナガエツルノゲイトウを駆除する常葉大の学生＝静岡市葵区の麻機遊水地第3工区

　静岡市葵区の麻機遊水地の保全活動に取り組む市民団体や大学、企業の関係者がこのほど、同遊水地第3工区で繁殖が確認された特定外来生物の雑草ナガエツルノゲイトウの駆除を行った。繁殖が進めば在来の生態系や治水機能に影響を及ぼす恐れもあり、関係者は今後、一丸となってまん延防止や根絶に向けて取り組む。 　南米原産のナガエツルノゲイトウはわずか数センチの茎の断片からも再生する強い繁殖力を持ち、「地球上最悪の侵略的植物」とも呼ばれる。 　麻機遊水地では2014年に初めて確認され、市民団体が駆除作業を続けてきた。ただ、22年9月の台風15号など豪雨のたびに拡散して根絶に至らず、生息域拡大の懸念もあるため、本年度から関係者が連携して駆除や分布域調査、周知活動に取り組むことにした。 　5月に続き2回目の作業となったこの日は保全団体麻機ウェットランドクラブや常葉大、県環境アセスメント協会などから約25人が参加した。駆除は、茎片やわずかな根も残さないように手作業が基本。沼地岸部に根を張り、川面に広がった群生に対しては根っこ部分にホースで水をかけながら丁寧に取り除いた。 　参加した常葉大大学院環境防災研究科1年の増田敦人さん（26）は「まん延防止には初期対応が重要。深刻な事態になる前に多くの人に知ってほしい」と話した。