佐久間由衣を変えた大きな転機「年齢的にもキャリア的にも、そうしなければ頑張ることが出来なかった」
太宰と出合うまではギャルだった
その当時の佐久間さんの容姿は俗にいう“ギャル”だったとか。 「あの当時はつけまつ毛をして、カラコンつけて髪も染めていたんですけど、この本に出合って感化されて“もう偽るのは止めよう”って(笑)。つけまつ毛もカラコンも全部取って元に戻りましたね」 そして高校卒業し、その直後から女性ファッション誌『ViVi』で専属モデルの仕事を始めるようになった。その後、俳優の仕事をやるようになり専属モデルの仕事は2017年3月に卒業した。 「やっぱり、自分の中でもひとつに絞って力を出したいというのがあったんです。だから雑誌のスタッフさんにもその点をご相談し理解してもらって送り出していただいたという感じで、“お芝居を頑張ろう”って思いを自分の中でも枷にしました」 『ViVi』を卒業した2017年3月といったら、ちょうど朝ドラ『ひよっこ』が決まったタイミングであった。 「モデルの頃は、俳優の仕事は1年に1回ぐらいだったんです。ファッションモデルのお仕事は一日単発で終わってしまうことが多くて、また同じスタッフさんが集まったとしても以前とは異なる媒体であったり、違うテーマだったりするんです。でも、お芝居の現場は最低でも1か月、長いと半年とか1年かかるということもあるんですよね。そうなるとお互いの関係性が密になって、みんなで同じものを作り上げていく……という感じになって、そこにとてもときめいたんです。 大人たちが一生懸命に、ひとつの成功に向かって団結していくのは熱くていいな~って。でも、そこに携わるのであれば中途半端な覚悟では失礼だなという思いもあって、モデルを辞めて俳優業に絞ったんです。年齢的にもキャリア的にも、そうしなければ頑張ることが出来なかったというのもあったと思うんですけど」 出演作『おいハンサム』で、佐久間さんはドラマ版のseason1から次女・里香役を演じている。本作は融通の利かない”昭和のオヤジ“的な伊藤源太郎(吉田鋼太郎)とすべてを超越したマイペースな妻・千鶴(MEGUMI)、そして個性的な三姉妹が織りなすファミリーコメディだ。映画版ではドラマのseason2の続きが描かれる。俳優として著しい成長を見せるその演技に注目したい。 佐久間由衣(さくま・ゆい) 1995年3月10日、神奈川県生まれ。O型。T170。2013年に女性ファッション誌『ViVi』の専属モデルとしてデビュー。2014年、映画『人狼ゲーム ビーストゲーム』で俳優デビュー。2015年、ドラマ『トランジットガールズ』でドラマ初主演を果たす。2019年に映画『“隠れビッチ”やっていました。』で映画初主演を果たした。主な出演作にNHK朝ドラ『ひよっこ』、『らんまん』、『彼女はキレイだった』、『最愛』などのドラマや『君は永遠にそいつらより若い』、『キングダム 運命の炎』、『ゆとりですがなにか インターナショナル』などの映画がある。 鈴木一俊
鈴木一俊