TETORA、ライブの現場にこだわってきたバンドの矜持
3月23日(土)に開催された「ツタロックフェス2024」。TETORAのライブレポートをお届けする。 【ライブ写真はこちら】 パワーコードをかき鳴らす上野羽有音(Vo≫)と、タイトにリズムを刻むリズム隊――いのり(Ba)とミユキ(Dr)が一つになる轟音の演奏を、1曲目の「わざわざ」からいきなり観客にぶつけ、早速、手応えを感じたのか、会心の笑みを浮かべた上野はツタロックフェス初出演の意気込みを次のように語った。 「ベースのいのりさんは、TSUTAYAでバイトしてました。そんな思い出のあるTSUTAYAのツタロック。やるしかないと思います。ライブが終わった時の感想が楽しかっただけで終わらせたくない。それ以上のものをいっぱい見つけてください!」 そこから上野といのりが動きながら、広いステージをめいっぱい使いながら、「本音」「バカ」「嘘ばっかり」とたたみかけるように繋げ、TETORAが観客に見せつけたのは、ライブの現場にとことんこだわってきたバンドの矜持だ。 「大好きなライブハウスで再会できるようにかっこいいライブやっていきます。ツイッターとかYouTubeとか、わかりやすい数字にだまされないでください。その目でライブを見て、判断してください。数字以上に本物でいられるようにがんばります!」 その思いは曲間に挟む上野の言葉からもひしひしと伝わってきた。 アップテンポの曲を繋げてきた前半の流れは3連符と跳ねる8ビートを巧みに組み合わせたバラードの「Loser for the future」から一転。「ずっと好きやった人がTSUTAYAでバイトしてました。その人にTSUTAYAの前でフラれました。その人の曲を歌います」と上野が曲にまつわるエピソードを語ったバラードの「ずるい人」から「知らん顔」「今日くらいは」とたたみかけると、上野は声を振り絞るように歌いながら、語尾や小節の最後をしゃくりあげる歌声とともに心の底から感情をほとばしらせていく。ともにリズミカルでポップな「知らん顔」「今日くらいは」を聴き手の胸に突き刺さる曲に変える上野の歌声が観客を圧倒する光景は、わかりやすい盛り上がりとは明らかに違うものながら、この日のTETORAのライブのハイライトだったと言ってもいい。 “君の背中で 気づかれないように 涙を流してた”という「今日くらいは」の歌詞にアドリブで“気づけ!”と言葉を加えた流れから、上野が叫んだ「TETORAに気づけ!」という言葉が合図になったのか、金縛りから解き放たれたように観客が一斉に手を振り始める。 そこに繋げたラストナンバーは、アップテンポの轟音ロックナンバー「言葉のレントゲン」。「楽しかった?」と上野が問いかけ、それに対して客席から返ってきたのは、あまりにも大きな歓声と拍手。そして、ライブの最後を締めくくったのは、誇らしげに言った上野によるこの言葉だった。 「ロックバンド、TETORAでした!」 <イベント情報> Vポイント presents ツタロックフェス2024 公演日:2023年3月23日(土)、24日(日) 会場名:幕張メッセ国際展示場 9・ 10・ 11ホール 主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株) 企画:CCCミュージックラボ(株) 制作:ライブマスターズ(株) 運営:(株)ディスクガレージ 特別協賛:CCCMKホールディングス(株) / 三井住友カード株式会社 問い合わせ: <公式SNS> Twitter: instagram: Facebook:
Tomoo Yamaguchi