17年前に49歳で突然この世を去ったドキュメンタリー作家・佐藤真の傑作が4Kレストアで蘇る 「暮らしの思想 佐藤真RETROSPECTIVE」
日本のドキュメンタリー史上において重要な映画作家のひとり、佐藤真監督のレトロスペクティブ「暮らしの思想 佐藤真RETROSPECTIVE」が開催される。この度、その予告映像、ポスタービジュアルが公開された。 革新的手法と映画哲学によって数々の作品を世に残したドキュメンタリー作家、佐藤真。ありきたりの「⽇常」を撮り、その中に潜むもうひとつの世界への⼊り⼝を探し、言葉にからめとられる前の世界の感触を伝えた。佐藤は2007年に49歳で突然この世を去ったが、その作品群は、いまなお多くの人たちに影響を与え続けている。 今回開催されるレトロスペクティブでは、知的障害者と呼ばれる7⼈のアーティストたちの活動を通して芸術表現の根底に迫った『まひるのほし』、重度の自閉症を抱えたアーティスト今村花子と、彼女を取り巻く家族の物語『花子』、パレスチナの窮状と真実を世に伝え、和解と共⽣の地平を探り続けた知識⼈エドワード・サイードの不在を見つめた『エドワード・サイード OUT OF PLACE』の3作品を4Kレストア上映。 また、日本のドキュメンタリー映画の金字塔と言われている、新潟⽔俣病の舞台ともなった阿賀野川流域に暮らす人々を描いた長編デビュー作『阿賀に生きる』と、その10年後の人々を捉えた『阿賀の記憶』、『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』の濱口竜介監督作品『寝ても覚めても』でもその作品が引用された、孤高の写真家・牛腸茂雄の作品世界に肉薄する『SELF AND OTHERS』もあわせて上映される。 「暮らしの思想 佐藤真RETROSPECTIVE」は、2024年5月24日(金)より全国順次公開。
otocoto編集部
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