センバツ2024 2回戦 大阪桐蔭、突き進め 2年生堂々力投、8強 /大阪
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催されている第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)第8日の27日、大阪桐蔭は2回戦で神村学園(鹿児島)と対戦した。2年生投手2人の頑張りに打線も応えて得点を重ね、4―2で勝利した。準々決勝は第9日の28日、報徳学園(兵庫)と対戦する。【小坂春乃、山口敬人】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 先発は甲子園初登板の森陽樹(はるき)(2年)。受ける増田湧太も2年生だ。仲間の前では緊張を見せまいとする身長189センチの大型右腕に、メンバーは「楽に行けよ」と明るく声を掛けた。しかし初回、2死一、三塁で暴投の間に先制を許した。その後は徐々に打たせて取る投球を取り戻し、四回を終えて中野大虎(だいと)(同)にマウンドを譲った。森は「初めての夢舞台に力が入りすぎ、ボールが浮いてしまった。もう少し投げたかった」と肩をすぼめた。 野手陣も踏ん張る後輩をもり立てようと奮起。三回には徳丸快晴(3年)が中越え適時三塁打を放ち、勝ち越し。「絶対に点を取ろうと打席に入った。変化球を良い形で打ち返せた」とうなずいた。五回は境亮陽(りょうや)(同)のランニング本塁打にスタンドが沸き立った。チアリーダー部長の橋野結愛(ゆあ)さんは「踊るのを忘れて本塁を見つめてしまった。さらに点差を広げて」と力を込めた。 スタンドの後押しもあってか六回、中野の犠飛でさらに1点を追加。九回は長打2本で粘る神村学園打線を1点に抑え、8強入りを決めた。 ……………………………………………………………………………………………………… ■熱球 ◇仲間信じ「本塁行ける」 境亮陽外野手(3年) チームで1、2を争う俊足の持ち主が輝きを放った。五回、先頭で打席に入り、内寄りの変化球を鋭く振り抜くと右翼フェンスを直撃。一塁を踏むと「これは行ける」とさらに加速、最後は三塁コーチャーを信じ本塁へ向かった。自身公式戦初のランニング本塁打。甲子園はどよめいた。 中学は陸上部に所属。100メートル11秒06で岐阜県予選を突破し、ジュニアオリンピックにも出場した。 ダイヤモンドを一周しベンチに戻った時も実感が湧かなかったが、西谷浩一監督に「ナイスバッティング」と迎えられ、笑みがこぼれた。 この日は4打数3安打。しかし「最後はチャンスで打てなかった。もっと練習したい」と自己評価は70点だった。低反発バットに変わったが「自分の足は変わらない」。まだまだ“進化”を目指す。【小坂春乃】