松下洸平“周明”の行動に視聴者疑念…そこに近づく佐々木蔵之介“宣孝”がたまらない|大河ドラマ「光る君へ」第23回
まさかの国際ロマンス疑惑
そんな周明、SNSでは「国際ロマンス詐欺」だと盛り上がりを見せる。確かに、かっこよくて、不幸な生い立ちで、でも優秀で……さらにどこかミステリアスな雰囲気がある。そこに加えて「俺を信じるな」と言ったり、そのくせ熱心に宋語を教えたり、さりげなくスキンシップがあったり。確かに、噂に聞く国際ロマンス詐欺の手口と似ている……。 とはいえ、周明も最初からそういうつもりではなかったわけで(いや、利用は使用としていたかもしれない)、左大臣と繋がりがあると分かった途端に状況が変化した。もはや、遠く離れていても気持ちだけでまひろの恋路を邪魔しようとしているんじゃ……。
宣孝、見参。
そんなまひろのもとに、今度は宣孝(佐々木蔵之介)がやってくる。たんまりとお土産を持って、ニコニコとまひろと話をする。 まひろは宣孝を館に招き、酒や越前のウニで宣孝をもてなす。ウニの食べ方をレクチャーするまひろ。おいしそうに食べて見せる。宣孝もその味わいに目を丸くし、「会うたびにお前はわしを驚かせる」と言う。そして、帰り際に「都に戻ってこい」「わしの妻になれ」。 今回は、登場からずっと表情は雄弁だった。周明を値踏みするような視線、まひろの前で魅せる茶目っけのある表情、かと思えば、琵琶を弾くまひろに意味深な目線を向ける。 いや、子どものころから知っているまひろに結婚を申し込むって……とちょっと引いてしまう(なにせ視聴者としてふたりの関係はずっと見てきた)。演じているのが佐々木蔵之介だから良いけれど、まひろはどんな気持ちなの、これ! という話だ。 歴史上、まひろが宣孝と結婚したのは事実として知ってはいたが、形だけの夫婦という関係性じゃないのだな……と少し驚いてしまった。
まひろの気持ちは?
周明と宣孝に取り合われることとなったまひろ。本人はどちらが好きとかあるのだろうか、という話であるが、個人的には「この人、実のところあまり自分の恋愛ごとに興味がないのでは?」と思う。 ウニをおいしそうに頬張り、宣孝が持ってきた書の匂いを嗅ぎ、宋のものだって一番興味があるのは書。基本、知識欲旺盛なオタクなのである。なのに、なぜ「源氏物語」が書けるのかと言ったら、物語の持つ力を信じているから。そしてモデルになるエピソードや人物がいれば、そこから想像力で膨らませられるから、というところだろう。 どのエピソードもきっと源氏物語につながっていくのだろう、と思うと、改めて今後に向けてワクワクが増していく。 <文/ふくだりょうこ> 【ふくだりょうこ】 大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ
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