仲野太賀、仲間とのガチ旅が書籍に「我々なりの旅のバイブル作りたい」
俳優の仲野太賀、テレビディレクターの上出遼平氏、写真家の阿部裕介氏による旅本「MIDNIGHT PIZZA CLUB 1st BLAZE LANGTANG VALLEY」(12日発売、講談社刊)の取材会がこのほど都内で行われ、渾身(こんしん)の一冊への思いを語った。 3人はかねて交流がある旧知の仲。昨年12月、米ニューヨークに仕事のため滞在する阿部氏が、上出氏が暮らす自宅に泊まりに行ったところ、サプライズで仲野がアポなし渡米し大盛り上がり。勢いそのままに3人で旅サークル「MIDNIGHT PIZZA CLUB」を結成する運びとなった。サークル名は深夜のピザ店で意気投合したことと、世界中どこででもピザは食べられることにちなんで名付けられた。 第1弾の旅はネパール。阿部氏の「世界で一番美しい谷に2人を連れて行きたい」という発案で、秘境のランタン谷を目指し、標高4773メートルのキャンジン・リーを登頂するトレイルの模様が収められている。仲野を被写体に、阿部氏が写真を撮り、上出氏が文章を執筆。仲野は「我々なりの『地球の歩き方』や『深夜特急』のような旅のバイブルになる本を作れたら」と語る。 各業界のトップランナーの3人旅。一見スタイリッシュのように感じるが、実のところはかなり“出たとこ勝負”の愉快な旅になっている。上出氏は「我々の共通点で、すごくフットワークが軽いというのと表裏一体で、計画性がない(笑)。むちゃくちゃだから、書いていても面白いんですよ。計画されたミスのない旅だったら、本にしても面白くない。何も決めずにノリで行く、昔の珍道中みたいなものが息づいている」と明かす。 ランタン村での散歩中には、迂回路を通らずに直線でショートカットしようとした仲野と阿部氏が沼にはまったことも。仲野は「あれ、これぬかるんでるなと思って横を見たら阿部ちゃんがジャンプして水溜まりにダイブしていった。よくよく見たらヤク(ヒマラヤに生息するウシ科の動物)の肥だめで。夕暮れ時のマジックアワーの美しい光景の中で友達がクソまみれになっていた…」と回想すると、阿部氏も「ライカのカメラだけは守った。そのときの太賀くんの笑顔も『これだけは撮らなきゃ』って。人の素顔を撮るには体を張らなきゃいけない」。唯一無二の表情が収められている。 すでに第2の旅は終わっており、第3の旅も年明けに計画されている。いずれも過酷なトレイルがセットとなっているが、上出氏は「3人ともマゾなんですよ。自分を追い込んで追い込んで、その後に食うピザはうまい」。第2弾、第3弾の書籍の構想もすでにスタートしており、さらなる展開も予感させた。 13日からは東京・渋谷区のキャットストリート沿いの「StandBy」で写真店を開催する予定。また「MIDNIGHT PIZZA CLUB」とアパレルブランド「TTT MSW」がコラボレーションしたTシャツやキャップなどのアイテムが発売されることも決定した。
報知新聞社