【もうすぐ新紙幣】今ある紙幣の使用期限はいつまでなの? 記念に持っていてもただの紙切れ?
2024年7月3日より新紙幣が発行されます。1万円札は1984年以来の肖像画の変更となります。そうなると、今持っている紙幣がどうなるのか気になるところです。このまま今の紙幣が使えるのかどうか、そして新紙幣の特徴にはどのようなものがあるのか、本記事で見ていきましょう。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
それぞれの肖像画は?
すでに多くのメディアでも取り上げられていますが、1万円札が「近代日本経済の父」とされる渋沢栄一、5000円札が女子高等教育の先駆者である津田梅子、1000円札が「日本近代医学の父」と呼ばれる北里柴三郎です。
どのような偽造防止技術がなされているの? それ以外にどのような工夫がなされているの?
現在の紙幣にも偽造防止技術が講じられていますが、新紙幣に使われている偽造防止技術は以下8つがあります。また、偽造防止以外にもユニバーサルデザインとして2つが挙げられます。 <偽造防止技術> 1.深凹版印刷 深凹版印刷とは、インキを高く盛り上げる印刷技術のことで、触るとザラザラしており、紙幣と認識できるようになっています。額面の数字や識別マークに使われています。 2.高精細すき入れ(すかし) 現在の紙幣には、紙幣を透かして見ると真ん中の部分に肖像のすかしが表れますが、新紙幣では肖像のすかしに加えて、肖像の背景部分に高精細のすき入れが入っています。 すき入れとは、紙を透かして見たときに現れる模様、あるいはそのように加工することです。すかしには、紙の厚さを部分的に薄くする「白すかし」と厚くする「黒すかし」があり、日本の紙幣ではこの2つを組み合わせた精巧な「白黒すかし」が使われています。 3.すき入れバーパターン 紙幣に棒状のすき入れを施し、光に透かして見ると紙幣ごとに縦棒が見えるバーパターンです。1万円札は3本、5000円札は2本、1000円札は1本の縦棒が肖像画の向かって右側に施されています。 4.3Dのホログラム 印刷された肖像が三次元に見えて回転し、見る角度によって肖像以外の図柄も変化します。その際1万円札と5000円札にはストライプ型のホログラム、1000円札にはパッチ型のホログラムが導入され、それぞれ違う位置に配置されています。また、肖像が三次元に見えて回転する紙幣は世界初です。 5.潜像模様 潜像模様とは上記1の深凹版印刷の応用技術で、紙幣を傾けると表面はそれぞれの額面数字の “10000”、“5000”、“1000”の数字が浮かび上がります。また裏面は“NIPPON”の文字が浮かび上がることです。 6.パールインキ 紙幣を傾けると、左右両端の余白部にピンクの真珠のような光沢が見えるもので、紙幣以外には切手にも使われています。ただ、パールインキには本物の真珠の粉は含まれておらず、パール顔料を透明なインキに混ぜたものです。 7.マイクロ文字 マイクロ文字は、コピー機では再現できないくらいの小さな“NIPPONGINKO”の文字が見える程度の大きさで、虫眼鏡などで見ることができます。これは、紙幣以外にも切手などでも用いられています。 8.特殊発光インキ 特殊発光インキは普通の光源下では発光せず、紙幣に紫外線をあてると表面の日本銀行総裁の印章や両面の模様の一部が発光するインキです。偽造防止用インキとも呼ばれ、証券やパスポートなどでも使用されます。 <ユニバーサルデザイン> 1.識別マーク 識別マークは深凹版印刷技術の応用で、目の不自由の方でも指で触って紙幣の種類を識別できるマークです。現在の紙幣よりも触った際に分かりやすいように、新紙幣は11本の斜線に統一し、紙幣ごとに位置を変えることで識別しやすくしています。 それぞれの位置は、1万円札は左右の中央、5000円札は上下の中央付近、1000円札は右上と左下となっています。 2.額面数字の大型化 表裏の額面数字(アラビア数字部分)を現在の紙幣より大きくして、識別しやすくしています。