【DeNA】ハマっ子ドラ5右腕がプロ1勝!初登板初先発夢のハマスタで5回1失点「もっと勝って勇気を」
◆日本生命セ・パ交流戦 DeNA8―5ソフトバンク(9日・横浜) DeNAのドラフト5位・石田裕太郎投手(22)が5回5安打1失点で初勝利を挙げた。新人の初登板初先発勝利は球団では20年坂本裕哉以来11人目。横浜市出身の生粋のハマっ子が思い出の地・ハマスタでプロの一歩を踏み出した。また、石田裕の中大の先輩である牧秀悟内野手(26)が球団では1988年5月3日のヤクルト戦(横浜)のポンセ以来36年ぶりとなる「初回4番満塁弾」で援護した。 憧れていた舞台で夢をかなえた。石田裕は入団時に掲げた中大の3学年先輩・牧とお立ち台に上がり、「小さい時からハマスタで(試合を)見ていたので信じられない」。ファンで埋め尽くされた光景を見渡し、喜びをかみ締めた。 糸のように伸びていく直球と、シンカーなど多彩な変化球で強力ソフトバンク打線を翻弄(ほんろう)した。4回の内野ゴロによる1点しか許さず5回を被安打5でまとめた。チームの連敗を4で止め、自身の生まれた2002年ドラフト自由枠で入団した43歳の和田に投げ勝った。 立ち上がりで粘った。初回、先頭から2者連続で三振も、そこから連打と四球で満塁。だが、柳町をフォークで一ゴロに抑え乗り切った。その裏、牧が満塁弾で援護。7回には幼少期のヒーロー・筒香が初白星を後押しする3ラン。腕を大きく突き上げ「球場に(応援に)来て(筒香の)ホームランを見た時はすごく興奮して…。その感覚は今でも持っている。ベンチで見られてすごく良かった」と、ファンの心も思い出し感謝した。 ベイスターズブルーに染まっている。横浜市出身の右腕は幼い頃から生粋のベイ党。応援歌も全て覚えて何度も口ずさみ、筒香のユニホームとタオルを持って右翼席から声援を送っていた。小学6年時、市内の選抜チームで三塁手としてハマスタでプレー。当時は「エラーしたことが思い出」だったが、うれしい記憶で塗り替えた。 壁を一つ乗り越えた。プロ入り後初の対外試合となった2月24日、2軍のオリックスとの練習試合で1回3四球で2失点。「過去にないくらいひどい投球。これ以下はないと思った」。2軍で黙々とスライダーの改良、武器のシンカーに磨きをかけた。イースタンで8試合1勝2敗、防御率2・03と結果を残しチャンスをつかんだ。 この日は母と弟がスタンドから応援。大のベイファンの父は来られず「次は、お父さんが来た時に投げて勝ちたい」と白星を重ねる決意だ。「ベイスターズを見てきて格好いいなと思って野球を続けてきた。まだ1勝。もっと勝って勇気を与えられる投手になりたい」。まだ通過点。新星が横浜の空に誓った。(内藤 菜月) ☆石田 裕太郎(いしだ ゆうたろう) ▽生まれ 2002年1月22日、神奈川県横浜市。22歳。 ▽サイズと投打 180センチ、74キロ。右投右打。 ▽球種 直球、スライダー、シンカー、カーブ、チェンジアップ ▽家族 両親と弟 ▽高校・大学時代 静岡・静清高では甲子園出場なし。中大では巨人のドラフト1位・西舘と同期。4年秋は開幕投手も務めた ▽ハマっ子 横浜市磯子区出身で幼い頃からベイスターズファン。 ▽フォーム 中大時代、直球の質を高めるため、データが得意な後輩に相談。ロッテ・益田のように腕の位置を下げようと、助言されるとマッチ。
報知新聞社