阪神・ベタンセス 161キロに安芸どよめき 藤川監督ニヤリ「高知県にあんなボール投げる人いないでしょ(笑)」
「阪神紅白戦、白組0-0紅組」(3日、安芸市営球場) すさまじい剛速球に、球場内からどよめきと歓声が起こった。阪神の育成外国人のベタンセスが自己最速の161キロを計時。「正直あんまりびっくりしていない。そのためにずっと練習してきたんで」とたくましい体の右腕はチャーミングな笑顔を浮かべて振り返った。 0-0の六回1死一、二塁だ。小幡を投ゴロ併殺打に仕留めた2球目を投じた際、電光掲示板には大きく161キロと表示された。「今日はちょっと疲れもあったんですけど、その前にしっかり準備できていい状態で投げられた」。直近での球団最速は、勝ちパターンの一角を担うゲラが出した、4月3日のDeNA戦(京セラ)での来日最速160キロ。それを上回る会心の一球を披露した。 先頭から腕を振り切った。6300人の大観衆の前でも「バッターだけに集中して」と福島にいきなり157キロを計時して左飛に打ち取った。中野には四球、前川には足のつま先ギリギリの所に当たる死球としたが、打者を圧倒する投球で全11球のうち、全て150キロ超えだった。 藤川新監督は「高知県にあんなボール投げる人いないでしょ(笑)」とニヤリ。小幡の打球への素早い処理を挙げ「セカンドへのスローイングも当初、ドミニカ(共和国)で見たときはできなかったけど、それもできるように」と成長をたたえた。自ら足を運んで獲得に携わった右腕で「育成選手からの引き上げが大事。そこ(支配下)の可能性は十分にあります」と太鼓判を押した。 4月13日のウエスタン・ソフトバンク戦では157キロの衝撃デビューを果たした。シーズンを通して徐々に独自のメニューを取り入れるなど、地道な努力を積み重ねてきたドミニカン。10月12日のフェニックス・リーグの日本ハム戦では来日最速だった160キロを計時し、高いポテンシャルに磨きをかけていた。「全ての変化球でストライクを取って支配下になりたい」。尽きぬ向上心で監督に猛アピールし、早期支配下を目指す。 ◆ホセ・ベタンセス(Jose Betances)1999年10月17日生まれ、25歳。ドミニカ共和国出身。183センチ、102キロ。右投げ右打ち。投手。セナペック高から2017年アストロズと契約。メジャー経験はなし。24年2月に阪神と育成契約。“デビュー戦”だった4月13日のウエスタン・ ソフトバンク戦でも157キロを 計測し可能性を感じさせた。 ◆阪神投手の最速上位は… 阪神投手の公式戦最速上位は【1】スアレス=163キロ(2021年6月8日・日本ハム戦・札幌ドーム)【2】藤浪晋太郎=162キロ(20年10月19日・ヤクルト戦・甲子園)【3】ドリス=161キロ(17年8月29日・ヤクルト戦・甲子園)。ちなみに24年最速は、ゲラで4月3日・DeNA戦(京セラドーム)に160キロを計測している。