「まるでコロナ禍のロックダウン」インド大気汚染が深刻化…視界が真っ白でタージマハルも霞む 排ガス、農地の野焼き、気温低下が原因に
インド・ニューデリーで11月、大気汚染が深刻化し、スモッグが街を覆った。世界遺産の「タージマハル」も霞み、市民生活にも大きな影響が出ている。原因は自動車の排ガス、農地の野焼き、気温低下などが重なったためだという。 【画像】スモッグの原因のひとつとされている農地の野焼き
「目はいつもヒリヒリ」スモッグに覆われるインド
インド・ニューデリーで11月、白く霞み、視界が効かない街中を人々がジョギングしている。近くの建物や鳥が停まる木々も、ほとんど姿を確認することができない。 インドの首都・ニューデリーでは今、こうしたスモッグが街中を覆い大問題になっている。 市民は「この大気汚染はひどいぞ!目はいつもヒリヒリして涙が出てくるし、まるで唐辛子を入れられた感じじゃよ!」 と話す。 市内を上空から見ると、白くぶ厚いスモッグが街全体を覆っているのが分かる。別の映像では、視界を遮られ何もないように思えるが、実は画面の中央に大きな橋が架かっている。 こうした大気汚染は首都に限った話ではなかった。インド・アグラでは、人々がある有名な建物を背景に写真を撮っていた。インド北部にある世界遺産「タージマハル」だ。 誰もが息をのむ美しい風景も、この日はスモッグが覆っていた。女性は「写真は撮ったけど、スモッグが濃すぎて何も写ってないわ…」 と残念そうに話した。
大気汚染は6段階で最も悪い「深刻」レベル
インドでは、国のあちこちで大気汚染が深刻化している。 原因とされるのが、慢性的な問題となっている自動車の排ガスに加え、農地の野焼きや気温の低下など、この時期ならではの事情が重なったため、より深刻度が増したのだという。 最近インドでは、大気汚染の指標が6段階で最も悪い「深刻」レベルに引き上げられる日も多く、市民生活にも大きな影響が出ている。 大学生は「この大気汚染のせいでクラスは閉鎖され、オンライン授業に切り替わりました。まるでコロナ禍のロックダウンに戻ったかのようです」と状況を語った。 こうした状況を受け、インド政府は首都ニューデリーでのトラックの乗り入れや公共工事を禁止するなど、事態の収拾に乗り出している。 (「イット!」11月21日放送より)
イット!