ラーメン・パスタ大好き…! 「体臭が発生しやすい体質の人」の特徴と対策
汗ばむ季節、体臭が気にならない人のほうが少ないのではないでしょうか。体臭対策には、さまざまな汗ケアだけでなく、体臭を強くしてしまう食習慣の見直しが有効です。そこで今回は、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、悪臭の発生を防ぐ食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます! 【保存版】ラーメン好きは要注意! 「体臭が発生しやすい体質の人」のNG習慣まとめはコチラ
体臭対策は体の内側から!
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 270 じんわり汗ばむ季節になりましたね。ということは、ニオイのシーズン到来ということになります。柔軟剤や制汗スプレー、ヘアトリートメント、香水などニオイを隠してくれるものはたくさんあります。ですが、油断するとフローラルの香りに体臭が混ざり、なんとも言えないモワッとした香りを醸し出していることもあるかもしれません。 人とのすれ違い際にその人の体臭を感じたこともあると思いますが、この時期は極力他人のニオイは気にせずに、自分のニオイに気を付けることがマナーといえるかもしれません。ということで今週は、体の内側から体臭の対策をする食薬習慣をご紹介していきます。 今週は、体臭が気になる人のための食薬習慣 少し歩いて立ち止まるとドッと汗がでたり、入浴習慣がシャワーへと切り替わったり、髪の毛を乾かしている間に頭皮が汗で再び濡れ始めてきたり、靴下やわきの下が汗ばんできたり、傷みそうな野菜は買い控えてレトルトが増えたり、少しずつこの時期特有の感覚が蘇ってきてはいませんか? 実はどれも体臭にかかわることなんです。心当たりがある人は、体臭対策をスタートさせていきましょう。 漢方医学では、清潔にしていないこと以外で体の内側からニオイを強くしてしまう状態を『痰湿』や『湿熱』がたまっているといいます。これは、ラーメンやパスタ、レトルトソース、インスタント麺、唐揚げ、てんぷらなど油の多い食事に偏ったりすることでたまります。そうすると、皮脂の分泌が増えてしまい、それが酸化することで加齢臭のようなニオイを発する物質を作り出してしまうことがあります。 そこで、今週は消化の負担を減らし、油ものの無駄食いを抑えるために『脾』を強化し、『痰湿・湿熱』を除去する食薬をおすすめします。今週食べるとよい食材は、【キャベツとグレープフルーツのマリネ】です。そして逆にNG習慣は、ランチに仕事帰りに休日のごはんに食べたくなる【高頻度のラーメン習慣】です。 食薬ごはん【キャベツとグレープフルーツのマリネ】 キャベツは『脾』の働きをサポートし、『痰湿・湿熱』の除去に役立つ野菜です。さらにグレープフルーツを和えることで、グレープフルーツに含まれる食欲を抑えるナリンギンや脂肪の蓄積を抑えるヌートカトン、リラックス作用のあるリモネンが無駄食いを防いでくれます。グレープフルーツは、薄皮も一緒に食べるようにすると食物繊維をとり入りれることができ、腸内環境を整えたり、血糖値の乱高下を抑えることにつながるため薄皮ごと食べましょう。 <材料> キャベツ 6枚 グレープフルーツ 1/2個 オリーブオイル・レモン汁 各大さじ1 塩・ブラックペッパー 適量 <作り方> キャベツは千切りにする。グレープフルーツは薄皮を残し、皮をむいたら一口大に切る。ポリ袋にすべての材料をいれ、良くもんで10分程度おいたら完成。 NG行動【高頻度のラーメン習慣】 洗濯物は、気を付けていても部屋干ししていると分厚い服や布が重なったまま干されていた部分などが臭くなってしまうことがありますよね。髪の毛も汗をかいてしまうと、もう手に負えなくなります。ただでさえ、一年の中でも様々なニオイが漂うこの時期なので、少しでも悪臭の発生源をなくす努力をしていくことはマナーでもあると思います。お互いに気を付けあったり、他人に寛大になったりすることも必要です。 そこで、体の内側からニオイを放つ体質になるかもしれない食事を控えることは試してもよいと思います。特に飽和脂肪酸や糖質を多く含む食事は、『痰湿・湿熱』を作り出し、過剰に皮脂分泌を増やしてしまうことがあるため、体臭の原因になってしまうことがあります。なるべく和定食に近づけるようにすると、脂質や糖質過多になりづらく、バランスよく栄養が摂取できるため、体臭だけではなく、夏バテ対策にもなります。ラーメン屋巡りやカップラーメンの食べ比べなどにはまっている人は気を付けてみましょう。 暑苦しい時期には、何もかもが面倒になりますが、そんな時こそ食べ物に気を使うことが大切です。そのまま、楽をしてインスタント食品などに偏り、今までよりも栄養状態が悪くなるとさらに面倒な気分を悪化させてしまうからです。食事の見直しをすることが、元気を作り、ニオイの原因を減らしてくれます。過ごしにくい季節ですが、食薬習慣を取り入れ健やかに過ごしましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)や新刊『だる抜け ズボラ腎活(ワニブックス)』でも紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは… 『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報> 大久保 愛 先生 漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。 公式LINEアカウント@aika ©Valery/Adobe Stock
大久保 愛