【"国産ウナギ"は高嶺の花?】長年の研究で判明した…そのうち "安くなる日" 課題解決の糸口は北海道に…厄介者の “雪” が救世主に?土用の丑の日
■食べたいけど高いウナギ
甘く香ばしい香り、食欲をそそるふっくらとした身。この時期、一度は食べたくなるウナギですが、値段が高く、まさに高嶺の花という声もあります。 街の声では、「すごく好きでも高い」「食べるなら国産が良い」といった意見が聞かれます。では、なぜ国産のウナギは安くならないのでしょうか。 専門家によると、価格が下がらない背景には、謎多きウナギの生態が関係しています。しかし、長年の研究の結果、ついに安くなる日が来るかもしれません!
■スーパーに並ぶウナギの種類
まず、普段私たちが食べるウナギは主に2種類あります。 よく見かける「中国産」と表記されている商品は、主に「ヨーロッパウナギ」という種類で、大きくて身が厚く脂が多いのが特徴です。そして比較的安価です。 もう1つは、スーパーやウナギ専門店で見かける「国産」と表記された商品。こちらは主に「ニホンウナギ」という種類で、身が引き締まっていて旨味が濃いですが、値段が高いのが特徴です。
■国産ウナギが高いワケとは
なぜ国産ウナギが高いのか、その理由は養殖のスタート地点にあります。 養殖ウナギのスタートは天然の稚魚、シラスウナギを捕まえるところから始まります。しかし、このシラスウナギの漁獲量が減少しているのが大きな原因です。 1963年には232トンとれていた稚魚ですが、2019年には過去最低の3.7トンにまで減少しています。漁獲量が減少している理由は、環境の変化や乱獲だと考えられています。
■全国の養殖ウナギの収獲量は
全国の養殖ウナギの生産量のトップは、鹿児島県。41%が養殖されています。 北海道は、収獲量がゼロ。その理由は、ウナギを育てる水温です。28~29℃の水温が適していると言われていて、北海道の気候はウナギの養殖には向いていないようです。
■"夢のウナギ" 完全養殖とは?
現在、ニホンウナギの完全養殖が研究されています。 完全養殖とは、天然の稚魚に依存せず、卵からシラスウナギ、成魚までをすべて人工的に育てる方法です。2010年に世界初の完全養殖が成功しましたが、まだ商業化されていません。コストが非常に高いためです。 北海道大学では、1973年に卵からの人工孵化に成功しました。しかし、稚魚まで育てることができたのは2002年。完全養殖が成功したのは2010年です。 これまでの研究に長い年月がかかりました。
■ウナギとエネルギーの関係
ウナギが安くなるためには、飼育コストの削減が必要です。 現在、エサ代やエネルギーコストが大きな課題となっています。最近の研究では、エサ代のコスト削減が進んでおり、ニワトリの卵をエサに使うことで1匹あたりのコストが半減しています。 北海道では、雪解け水を利用したウナギの養殖が試みられています。この方法が成功すれば、エネルギーコストの削減にもつながり、ウナギが安くなる日が来るかもしれません。 今後も、ウナギが安く手軽に食べられるようになる日を期待しましょう。
UHB 北海道文化放送
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