桜の名所・岸渡川(高岡)をアニメに 富山大生制作、苗寄付の地元出身実業家・寿原氏モデル
富山大芸術文化学部3年の和田萌瑚(もえこ)さん(21)が、旧福岡町出身の実業家、故寿原(すはら)外吉氏(1901~85年)をモデルにしたアニメ制作を進めている。作品のテーマは、同氏と関わりが深く、桜の名所として知られる岸渡川(がんどがわ)。先人の功績を親しみやすく描き、子どもたちに関心を持ってもらおうと地元の企業が企画した。今年夏までの完成を目指している。 寿原家は現在の高岡市福岡地域で菅笠(すげがさ)問屋を営んだ旧家。寿原外吉氏は後継ぎとして同家に養子入りし、1920年代ごろに北海道小樽市に移り住んだ。金物やガラスの卸売業を手がける寿原商店を経営し、小樽商工会議所会頭や札幌証券取引所の理事長を務めた。50年代、福岡地域を流れる岸渡川にソメイヨシノの苗5千本を寄付し、古里に貢献した。 岸渡川の桜は現在樹齢70年を超えており、老木化が進む。桜の名所を守りたいという思いから、まちづくり会社「ウエルカム福岡」がアニメ制作を企画。同社社員の知人を通じて、趣味で漫画を描く和田さんに制作を依頼した。作品では高岡市の男子高校生が20年代にタイムスリップし、寿原氏と出会う。
和田さんは新潟県弥彦村出身。アニメ制作は初挑戦だが「若い世代が前向きな気持ちになれる内容にしたい。寿原さんの現代に通ずる考え方や情に厚い人柄を描きたい」と意気込みを見せる。 完成した作品は福岡町観光協会のホームページなどで公開する。