トランプ氏、ニューヨーク中心部で大規模集会 応援演説に差別発言も
Steve Holland Jeff Mason James Oliphant [ニューヨーク/フィラデルフィア 27日 ロイター] - 米大統領選まで1週間余りとなる中、共和党候補のトランプ前大統領は27日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで大規模集会を開いた。 演説の冒頭で「4年前より暮らし向きは良くなったか」と問いかけると、聴衆は「ノー」と叫んだ。 また、選挙で勝利すれば不法移民の入国を阻止して移民を強制送還する考えを繰り返し唱え、移民を「凶悪で残忍な犯罪者」と呼んだ。 「就任初日に米史上最大の強制送還プログラムを開始する」と述べ、「侵略、制圧された全ての都市や町を救済する」と主張。民主党候補のハリス副大統領を「非常にIQの低い人物」と呼び、移民に関する強硬発言で支持者から喝采を浴びた。 移民受け入れに寛容な聖域都市を廃止するほか、犯罪歴のある移民を強制送還するため1798年の「外敵法」を発動すると表明した。 親など家族を介護する人を対象に税額控除を導入する案も発表した。 トランプ氏登壇前に演説した支持者の一部からは人種差別的、女性差別的な発言が出た。トランプ氏の顧問弁護士だったジュリアーニ元ニューヨーク市長は、イスラエルとパレスチナの紛争でハリス氏が「テロリストの側」にあり、パレスチナ人を米国に呼び寄せることを望んでいると虚偽の主張を展開した。 実業家イーロン・マスク氏も登壇し、連邦予算は「少なくとも」2兆ドル削減できるなどと述べた。トランプ氏は新設を目指す政府効率化委員会のトップにマスク氏を据える考えを示している。 コメディアンのトニー・ヒンチクリフさんは中南米系住民に関して下品な言葉でジョークを飛ばし、米領プエルトリコを「ごみの浮島」と呼んだ。 トランプ陣営側はロイターに、プエルトリコに関するジョークはトランプ氏や陣営の見解を反映していないとコメントした。 プエルトリコの住民は米国市民権を持つが、米大統領選の投票権はない。 ハリス氏は同日、ペンシルベニア州フィラデルフィアのプエルトリコ料理のレストランを訪れた。交流サイト(SNS)に動画を投稿し、当選すれば「プエルトリコの未来に投資」すると約束した。