米・野菜など23品目 温室ガス削減率「☆☆☆」ラベルで表示
農水省、3月にも運用
農水省は3月にも、農業由来の温室効果ガスの排出削減率を可視化する「三つ星ラベル」の運用を始める。米や野菜など23品目を対象に、化学農薬・肥料の低減などにより排出削減に貢献した農産物に、星印を付ける。消費者に環境負荷低減の取り組みを知ってもらい、生産コストに理解ある購買行動を促す。 同省が7日、運用の手引きとなるガイドラインを公表した。18日まで意見を公募し、3月にも本格運用する。 ラベル表示の対象は、米やキャベツ、イチゴ、ジャガイモ、ナス、桃、茶など。おにぎりやジュースなどの加工食品も含む。 製造時に化石燃料を使う化学肥料・農薬の使用減や、温室効果ガスのメタンを減らす水田の中干し延長、炭素を土壌にためるバイオ炭の施用などによる削減率を可視化する。慣行栽培と比較し、削減率が5~10%未満で「星」を一つ、10~20%未満で二つ、20%以上で三つ示す。
生物多様性の保全に関するラベルも
米は温室効果ガスのラベルに加え、生物多様性の保全に関するラベルも3段階で表示できる。化学農薬・肥料の低減や不使用、冬期たん水、中干し延期など、取り組み数に応じて星の数が決まる。 ラベルを使いたい農家やJA、企業は、削減率を自動計算する同省の「簡易算定シート」で自ら算出する。品目や算定結果などを同省に報告すると登録番号が付与される。ラベルは、農産物やパッケージ、店内広告(POP)などに表示できる。 ラベル表示に不備がある場合は、同省が改善指導をする。従わない場合は、景品表示法に基づき事業者の公表などを行う。 同省は2022年度から、温室効果ガス削減のラベル表示について実証を重ねてきた。農家やJAや大手スーパー、米卸など実証の参加者・団体は91(1月末時点)に上る。
日本農業新聞