放置されがちな「魔境」…大切な遺品を見過ごさないために絶対に確認するべき「4つの場所」
両親が亡くなったとき、実家をどうするか考えているだろうか。実家に戻って暮らすのか、それとも実家を処分するのか。いずれにしても遺品整理が必要だが、そこには想像以上の困難が待ち受けている。いわゆる「親家片(おやかた)」本には、「こうして片づけた」「こうすれば片づけられる」などと成功例が書かれているが、現実はそんな生やさしいものではない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 『遺品は語る』(赤澤健一著)から抜粋して、注意するべきポイントをお届けする。 『遺品は語る』連載第29回 『突然の訃報…そのとき仏壇、神棚、ピアノ…遺品整理の障壁となる「厄介なモノ」たちはどうすればいいのか』より続く
不用品がたまる4箇所をチェック
故人の遺品があることを見すごされがちなのが、屋外にある物置だ。 長い間放り込んだまま使わなかったようなものが多いので、不用品ばかりかと思うと、意外に古い思い出の品や貴重品が遺されていることもある。忘れずに確認したい。 一般的に、不用品がたまりがちなのは、高齢者の手の届きにくいところだ。次のような場所は要チェックといえる。 段ボール箱・プラスチックケース・紙袋の中手の届かない棚の上冷蔵庫の奥押し入れ・納戸の奥 そもそも、このような場所にあること自体、ためこんでいるだけで忘れ去られた不用品である証拠ともいえる。長年、使われずにいた場合が多い。出し入れされた形跡がなければ、処分していいだろう。
夏に遺品整理をしてはいけない
思い立ったらすぐ遺品整理を──というアドバイスとは矛盾するようだが、作業を夏にするのは間違いだ。特にプロでない場合、真夏の遺品整理は避けたほうがいい。 遺品整理は、重たいものを大量に移動させるため、体力を使う。室内にクーラーや扇風機があったとしても、膨大な量のものに囲まれて作業するので、あまり効果がない。 また室内だけでなく、ものを運搬して屋外の熱気に当たることも多い。私ども遺品整理のプロでも、作業をしていると汗が大量に流れるため、熱中症にならないように水分補給が必須だ。プロでない場合は、なおさら熱中症などへの対策が欠かせない。 ことに、遺品整理が必要になるのは、シニア世代が中心だ。作業中に倒れたりすることさえある。体力を消耗しやすい夏の作業はやめるべきだ。 とはいえ、遺品整理は必要に迫られてやることが多い。期限が迫って時期など選べなかったりもする。そのためにも、自分で作業する場合は、思い立ったら早めに取りかかるほうがいい。早めにスタートすれば、それだけ時期も自由に選んで作業できることになる。 『遺品整理が大変な原因は“家”にある…専門家が語る、遺産の現金より不動産を優先すべき「納得」の理由』へ続く
赤澤 健一(グッドホールディングス株式会社代表取締役社長)