年金額が高い「都道府県・年齢」ランキング。年金に個人差がある理由
厚生年金の年金月額に都道府県や年齢で差が出るのはなぜ?
厚生年金の受給額は個人で差があります。これは、厚生年金の報酬比例部分が現役時代の賃金や加入期間で決まるからです。 ・A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数 ・B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数 このことから、年収が高い人や加入期間が長い人ほど、多くの厚生年金が受給できるといえるでしょう。 賃金の水準は都道府県によって差があり、都市部より高い傾向にあります。 その他、自営業の比率や共働きの比率も都道府県で異なることが考えられます。住んでいる都道府県で年金額が決まるのではなく、こうした背景が絡み合い、年金受給額にも影響したと考えられます。 また年齢による差は、乗率の改定が一因だと考えられます。 今後も厚生年金の受給額を決める乗率は改定されるため、年金額が減る可能性は考えられるでしょう。
年金受給額はそれぞれで目安を確認しておく
ここまで厚生年金や国民年金の平均受給額、都道府県や年齢による違いを見ていきました。 年金の受け取りには個人差もあり、受け取る金額に対して感じることも異なるでしょう。 将来自分が受け取る年金額がどのくらいになるのかを把握することは、安心した老後を迎えるためには必要不可欠でしょう。知ることで今からできる老後に向けての準備は変わるかと思います。 簡単に確認できるものとして、ねんきん定期便やねんきんネットの活用などがあります。将来の年金額を知り、まずは今の自分に何ができるのかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
・厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
大庭 新太朗