一体なぜ?イギリスでコロナ禍での中絶が罪に問われた女性の事例
イギリスのNHS(国民保健サービス)によると、イギリス本土・ウェールズ、スコットランドにおいて妊娠24週までは人工妊娠中絶が可能となっています。※1 一方で、“非合法”な中絶をしたり、その手助けをした者は、最高で終身刑に科されるという非常に重い刑罰も。 【写真】苦渋の決断を迫られ…中絶経験を告白したセレブ11人 イギリス北東部のティーズサイド出身の、22歳のベサニー・コックスさんは、「違法な妊娠中絶をした」として罪に問われていました。その事例について、<コスモポリタン イギリス版>から紹介します。 ※1:妊娠24週目以降は、母体の命が危険にさらされていたり、子どもが重度の障がいをもって生まれてくる場合などに限り、中絶が合法となっています ※日本での人工妊娠中絶については、母体保護法が適用されています。詳しくは、日本産婦人科医会のウェブサイトなどを参照してください。
「自発的に流産を引き起こした」と罪を問われ…
ベサニー・コックスさんが起訴されたのは、イギリスで1861年に施行されたOffences Against a Person Act(個人に対する犯罪法)に基づいてのことでした。 詳細は明らかになっていない部分が多いものの、イギリスで一回目の外出制限が終わりに近づいていた2020年7月に、コックスさんが経口中絶薬を用いた中絶がこの法の対象になったのだそう。 2020年7月4日、イギリスで外出制限の一部が緩和され、パブやレストラン、美容室などは営業を迎えました。ソーシャルディスタンス(コロナウイルスの感染拡大を防ぐために物理的な距離をとること)を含め、そのほかの制限は継続していた時期でした。 外出制限の開始に合わせてイギリスでは2020年3月から、ピルなどは電話やビデオ通話を通した診断によって、処方を受けられるように。 コックスさんに対する最初の起訴は、彼女が2020年7月6日に、薬を用いて妊娠を人工的に終わらせたということに対してのこと。そして二回目の起訴で検察側は、経口中絶薬「ミソプロストール」を使用して、「自発的に流産を引き起こした」と主張しました。