「死刑選択は真にやむを得ない」あまりに不自然、不合理…大分地裁断じる 遺族「真実語る日まで闘う」 宇佐市親子強盗殺人・裁判傍聴記
佐藤被告は、小さな声で「はい」と答え、冷静に聞いていた印象でした。慌てる様子もなく判決を受け止めた様子で、弁護士と目を合わせながら退廷しました。 判決理由で大分地裁は、「被告の車のトランクから被害者・高子さんの血液が検出されたこと。通常、第三者に車を貸さないことなどを踏まえ、『被告人の犯人性を強く推認させる』としています。 公判で弁護側は「プロレスマスクの男に陥れられた」などと事件への関与を否定してきました。一方、検察側は「荒唐無稽なストーリー」などと指摘していました。 佐藤被告は、これまでの公判で「事件当日、動画撮影をするというユーチューバーを名乗るプロレスマスクの男を車に乗せた」と話していましたが、大分地裁は供述の信用性について、プロレスマスクをかぶった見ず知らずの男からの依頼に応じるなど、あまりに不自然、不合理と断じています。 ■真実語り謝罪する日まで 判決を受け、山名高子さんの姉は、「死刑になっても妹は帰って来ないですけど、どういうわけで妹を殺さないといけなかったのか。それを知りたいですよ」と報道陣に答えました。 また、山名高子さんの次男は、「母や兄の無念さを考えると、まだまだ諦めるわけにはいきません。これからも被告人が真実を語り、母と兄に心から謝罪する日まで闘い続けていきたいと思います」とのコメントを出しました。 裁判員を務めた男性2人は会見に応じ、「今回色々悩んだ結果として出た判決ですけど、妥当と思います」「何日もみんなで話し合って私たちも納得して判決が出たと確信しています」と述べました。 一方、弁護人である田中良太弁護士は、「想定していた中でも最悪の判決。裁判所は被告人が有罪であるという先入観を持って事実及び証拠を評価したものだと我々として受け止めざるを得ない」として、即日控訴しました。 大分地裁で死刑判決が言い渡されたのは1980年の別府3億円保険金殺人事件(上告中に荒木虎美被告の死亡により公訴棄却)の裁判以来、44年ぶりです。
大分放送
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