「走って逃げるカタツムリ」 高校生ら学術誌に発表
北海道に生息するカタツムリ「エゾマイマイ」は敵から襲われると、通常の約1.3倍の速さで「走って」逃げることを京都大の森井悠太特定助教(進化生態学)と北海道札幌啓成高校の生徒らのチームが15日までに突き止めた。成果は国際学術誌に掲載。同校科学部の生徒6人は貢献が大きかったとして共著者として論文に名前が記された。 チームによると、カタツムリは外部からの攻撃に対し、殻の中に引っ込んでやり過ごすことが多い。チームは走って逃げる生態の報告は「世界初」とするが、速度の上昇はごくわずかで「カタツムリなりに走っているが、実際に敵から逃げ切ることができているかどうかは分からない」という。 チームは直径15センチ、高さ90センチの円柱形容器を作製。エゾマイマイを中に入れ、天敵からの攻撃を模擬して針で刺激を加え、移動速度を測定した。約3年間かけて計110回実験を繰り返した。通常時は平均速度が毎秒1.05ミリだったのに対し、刺激を加えた後は同1.27~1.35ミリに増加した。