岸田首相演説に「化石賞」 COP28で環境団体
【ドバイ共同】気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に絡み、世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」は3日、対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」に日本を選んだと発表した。石炭火力発電などを重視しているにもかかわらず岸田文雄首相が1日の首脳級会合で「世界の脱炭素化に貢献する」と演説したことを問題視した。 日本政府は火力発電の脱炭素技術として、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さないアンモニアなどを燃料に混ぜる実証段階の技術に期待を寄せる。岸田首相も演説で、東南アジアなどへ展開する取り組みをアピールした。 これに対し同ネットワークは、CO2削減効果が乏しいとした上で「国内やアジア全域で石炭とガスの寿命を延ばそうとしており、グリーンウォッシュ(見せかけの環境対応)だ」と批判。自然エネルギーへの移行を遅らせ「世界の再生可能エネルギー容量を3倍にする目標の達成へのハードルを高める」と指摘した。
COP28の会場で授賞式を模したイベントを開催。化石賞は会期中に複数回、発表される見通し。